30:SSS ◆KtxQQEeKzw[saga]
2011/07/07(木) 18:12:10.88 ID:9osjIzCt0
佐天の方は、死角に回るようなことはしなかった。
それが機械的な判断なのか、そんな小細工をする必要もないと考えたのかは分からないが、一方通行の正面から攻撃を仕掛けたのだ。
攻撃の手段は蹴り。
鋭いハイキックが一方通行の首筋目掛けて放たれた。
一方通行は、そのムチのような鋭い蹴りを腕でガードするのが精一杯だった。
いや、ガードできただけでも十分怪物と言えるだろう。
なぜなら、佐天もまた音速を超えて動いているのだから。
一方「ぐっ!!」
ギシギシと腕に衝撃が加わる。
威力としては、普通の蹴り程度だ。
音速で移動してきたことにより加えられたはずの破壊力は霧散してしまっている。
だが、防御できたとはいえ、このお互いに手の届く距離では分が悪い。
一度、バックステップで佐天から距離を取る。
一方(ハッ、なるほどねェ……)
大体何が起こったのかは理解できた。
反射を相殺さえずに、相手に攻撃を加える方法。
分かってしまえば単純なことだった。
以前にも、同じようなことをする相手がいたではないか。
“反射の膜に触れた瞬間に攻撃を手前に戻す”
つまり、佐天は木原数多と同じことをしているだけなのだ。
ただ、いくつか異なる点は存在する。
木原数多が一方通行の思考パターンを読んでいたのに対して、佐天はそんなことを考える必要はない。
反射によって攻撃が止まってしまうのだから、それから引き戻せばいいことになる。
また、相手の反射によって引き寄せられるのと同時に、自分の反射によっても引き付けられる。
これなら、一方通行とわずかにでも拮抗させられるだけの反射を持っていれば可能となる攻撃方法となる。
木原のように、イチイチ一方通行の思考を読み取る労力はいらない。
だが、この方法には問題点が1つだけあった。
それが『威力』の問題だ。
相手に触れている状態からの攻撃では、破壊力を出すことは到底できない。
その上、相手に押し込むのではなく、引き戻さなければならないのであれば、その難易度は跳ね上がる。
では、佐天はなぜ一方通行を吹き飛ばせるほどの威力を出すことができたのだろうか?
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