過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
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563: ◆G2uuPnv9Q.[saga sage]
2012/03/17(土) 21:53:54.84 ID:MAU9zp0O0
ぱっ、とさだのりが手を開いた

突然放されたことによって、阿修羅はバランスを崩す

無防備な彼に、しかしさだのりは攻撃を加えない

さだのり「…考えられるわけがあるか、お前みたいな息子を持った父親を…殺したなんてことを」

阿修羅「…アンタは化け物だ、普通の人間はそこまで非常には成りきれない」

さだのり「…俺はな、たしかに化け物だ…だがな、あの戦争で大切な何かを失ったんだ」

まるで自嘲するかのように、さだのりが続ける

さだのり「…俺は愛した女を、邪火流に任せた」

阿修羅「あの舞子って女だろ、それは聞いてるさ」

剣を構え、互いが視線をぶつける

さだのり「…あいつらが幸せになるのを見ていた、あいつらが結婚して、あいつらの間に子供が生まれて、あいつらがどんどんと愛を深めていくのを、誰よりも近くから」

阿修羅「だから自分は可愛そうだと…!?ふざけんなよ、あの戦争で俺も失ったんだ、たった一人の父さんを!!」

さだのり「…だから言っただろ、俺とお前は似てるんだ」

阿修羅「…似てなんかない」

さだのり「…辛かった、本当なら今すぐこの手で邪火流から舞子を奪いたかった、我儘な愛情ゆえに」

阿修羅「…そんなこと、俺に話してどうする、同情を買って逃がしてもらおうとでも?」

さだのり「お前にはそんな人生を歩んでほしくないのさ」

阿修羅「昨日出会ったばかりの俺に、気を遣うつもりか」

さだのり「…お前はそっくりだ、昔の俺に…」

タン、とさだのりが地面を蹴る

弾丸のように撃ちだされた彼の体は、真っ直ぐ阿修羅の懐に飛び込む

阿修羅(ば、馬鹿か…あまりに直線的だ!)

待ってもいなかった好機

それを逃すまいと、阿修羅が剣を構えた

だが





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