過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
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717: ◆G2uuPnv9Q.[sage saga]
2012/06/04(月) 11:22:07.14 ID:6PiExiXO0

助けて、という悲鳴を聞いて男は嬉しそうに笑った

「おーい皆さん、ちゃんと殺してるかぁ?」

「もちろんだろ!!!」

「やっぱこうじゃないとな、俺達は戦利品を獲るために戦ってるんだ、国なんかのためじゃねぇや!!」

収容所から離れた街に、化け物たちは侵攻していた

「や、やめて!!この子だけは…」

「ダメー」

ズバン、と女性の首が跳ねられる

その腕に抱かれた、まだ幼い男の子は涙を流している

「ふっふーん」

殺人鬼の男は、その男の子をそっと抱え上げ

地面に叩きつけた

「うわぁぁぁ!!!」

泣き叫ぶ男の子を、男は冷めた目で見下ろす

「ダメだねー、やっぱり普通の民間人を殺すのは俺にはつまんねぇやぁ」

殺しとけ、と他の兵士に命じる男


(…)

「!!み、みんな逃げろ!!!敵が来てやがる!!」

「…」

遠くで、誰かの声がする

「見つけたー、逃走者ってやつかぁ」


兵士達が女子供に気を取られている隙に、男は一人、面白そうな獲物を見つけた

泣き叫ぶだけの民間人ではなく、逃げることのできる「兎」だ

(楽しいねぇ、やっぱり逃げる的が面白いや)

手の中には、いつもの鎖鎌がある

ご丁寧なことに、収容所の中にしっかりと保管されていたのだ

捨ててしまえばよかったものを、と男は笑う

既に刃先には、血がべっとりとついていた





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