過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
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784: ◆G2uuPnv9Q.[sage saga]
2012/07/05(木) 09:02:10.00 ID:jjXovT8P0
「ほっほぉ!!」

歓喜の咆哮を上げながら、男がクルクルと回る

さだのりの剣を弾き、回りながらまだ壊れていない戦車の中に入り込む

さだのり(…なんだ?逃げるつもりか?)

「さだのり、ここは狭くて戦いにくいだろ、周りの目も気にしなくちゃならねぇや」

戦車の中、メガホンか何かを使っているのか、遮断されたはずの男の声が妙に響く

さだのり「…」

「俺は今から、国境地域に行く、分かるか?この国と、俺の国との国境地域だ」

さだのり「はん、そんなことを信じろって言うのか」

「信じたくないなら構わないぜぇ、その代わりそこに行くまでの民間人はみーなごーろし、だな」

さだのり「…」

「なぁさだのり」

キュルキュル、と戦車のキャタピラが音を立てる

動き出すのだ、と分かってはいるがさだのりには追う体力がない

「俺もお前も、化け物じゃないか、見てみろよ、この門前の前で生きてるのは、俺とお前だけだ、他の兵士は、見張りも、侵略兵も死んでいる」

さだのり「それがどうした」

「お前に、誰かを守るのは向いてないって言ってるんだ」

戦車が動き出す、巨大な壁を突き破り、それはとうとう歩道の方へと走っていく

最後に、男が言った言葉をさだのりは逃さなかった


「待ってるぞ、さだのり」




夏美「お…おじちゃん…」

建物の中に戻ってきたさだのりが、最初に見たのは夏美の怯えた表情だった

さだのり「…夏美、大丈夫か」

夏美「お、お母さんがおじちゃんを呼んで、って」

さだのり「…」

舞子は大けがをしている、今すぐに衛生兵に治療を行ってもらうか、病院へ行かなければ助からない

それを知っているさだのりは、夏美の言葉を聞いて舞子を励ましに向おうと思った


さだのり「…どうした、舞子」

舞子「…さだのり…」

さだのり(…あぁ、怯えてる)





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