過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
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794: ◆G2uuPnv9Q.[sage saga]
2012/07/08(日) 23:17:07.90 ID:+3GqWjxm0
「…あ、あの…」

「まだ何か訊きたいのか?お前、俺みたいな人間の何を暴こうって言うんだ」

隣を歩いていた男が、ここにきて初めて不快感を露わにする

「そ、その…あなたは何のためにこの戦争に…」

「何って?殺すためだよ、憎しみをもって俺を見つめさせるために、そうして反抗してきたヤツらを完膚無きまでに葬るために」

唾を吐いてから、男が答えたのはシンプルなものだった

「…それにさぁ、こうやって俺は国の英雄になってるんだぁ、殺しだけで、俺は、あの白い目で見てきた一般人を、見返してやれる」

「…ま、周りの目とか気にするタイプだったんですね」

「あぁ、気にするねぇ、一度英雄になった人間がもう一度殺人鬼になるなんてさーあ、なんて素敵な物語って思わないかぁ?」

メルビンはまた吐き気を覚えた、この男とは、何を話していても恐ろしい

「…あ、あの…」

「…静かに」

「?何かあったんですか…」

「静かにって言ったのが聞こえないのか?その顎切り落とすぞ」

男は近くの地面を見つめ、なぜかそこを避けて通りだした

「…あ、あの…」

「地雷だ、恐らくは遠くから爆破することも出来る、操作も可能なタイプだな」

「!?ど、どうして分かったんですか!?」

「どうして分かったか、だと」

見ろ、そう言って男が指差したのは地雷があると言った地面だ

「ここだけ瓦礫がなぜか不自然に除けられている、そして周りにはその代わりに瓦礫が無造作に積み上げてある」

「は、はぁ…」

「ここに何かがあるのは明確だ、埋められているならそれは二つしかない、遺体か、地雷か」

「…そ、それで…」

「…音が聞こえた、何かのスイッチが入るような音だった」

「…え…」

たっ、と男が突然走り出す

呆然としたメルビンを残し、少し離れてから男は笑った、馬鹿にするように

「それは、遠隔からも操作できるもんだって説明しただろ、そして、そのスイッチはさっき押された、俺が聞いたのはその音だった」

「!!」

メルビンは焦り、そして走ろうとした

足の裏が、何かを踏んだ、堅いものだ、そして、スイッチのようなものだ

それは何か

それは

「いくつかヒントをやったのに、そこを退かなかったのはお前のミスだ、だからてめぇがケツを拭え」

男の笑顔に、メルビンは何かを叫んだ

叫んだのだが、それと同時に彼の体はちぎれて飛んだ

内臓が辺りに散らばる、男の脚元には肝臓が飛んできた

「…まぁ、こうも粉々になったらケツも何もねぇなぁ」

鼻を鳴らしてから、男は歩き出す




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