過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
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795: ◆G2uuPnv9Q.[sage saga]
2012/07/08(日) 23:27:53.78 ID:+3GqWjxm0

「…見つけた見つけた、まーた背中向けて走ってるねぇ」

男の後ろには、幾つもの死体が重なっている

民間人だ、老若男女の区別はなく、みな平等に殺している

「…俺が見つけたんだ、もう逃げられないぞ」

地面に落ちていた銃を拾い、男がそれを逃げている少年に向けて撃つ

悲鳴を上げてから倒れた少年は、恐らく15、6くらいの年齢だろう

「…今思えば、地面に銃が落ちているのはおかしいなぁ…これはうちの軍のじゃあねぇ、つまりここには、一応この国の兵士達も来ていたってわけだ」

その銃が落ちている、ということは

(はっ、負けたってかぁ!自分達の国も守れずに散る気分はどんなに爽やかだろうねぇ)

こいつは使える、と男がポケットに銃をしまう

スキップにも見えるような嬉しそうな進み方で、あっという間に少年の元にたどり着く

「う、うあぁぁ…!!」

「よーお、お前、不運ってやつだねぇ、もう少し走れば俺から逃げられたのかもしれねぇのにさーあ」

「うあぁぁああ…」

「…あ?」

男が不審に思って、その少年の顔をよく見つめる

そこで気づいたのだが、少年の口にはなぜか穴が開いていた、血が溢れだしている

(…銃弾なんて小さなものじゃあない…こいつは、槍か剣で突き刺されたものだ)

声も出せないほどの傷、それは見ているだけで吸い込まれそうなほどにどす黒かった

「…なるほどねぇ、瀕死の重傷からどうにか逃げられた、そう思ったらそこに俺がやってきた、と」

「うあ…」

「…瀕死の重傷を負わせたのは、うちの軍か?首くらいなら振れるだろ」

首を縦に振る少年を見て、男が満足げに笑う

「…うちの軍から逃げるなんて、素敵だねぇー…あぁ素敵だ、お前、面白いなぁ」

「あ…」

「…お前はどうせ生きられない、その傷の出血は…もう止まりはしない、応急処置も出来ない」

「あぁ!!」

「…ここで死ぬのがいいんだろうが…ちょーっとだけでも命を伸ばしてやる、俺はお前を殺さない」

言いながら、男は手榴弾を取り出す

先ほど、メルビンからくすねていたものだ

「…その代わり、お前には殺してもらう、誰をかって?誰かをさ」

ぐっと男が刃を、少年の腹に突き立てる

「おぁ…」

「…お前は動く手榴弾だ」

そして、その傷口に手榴弾をねじ込む

そこはちょうど腸のある辺りか、無理矢理に手榴弾をねじ込み、男は高らかに笑った




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