過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
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811: ◆G2uuPnv9Q.[sage saga]
2012/07/09(月) 17:41:06.00 ID:2Pe3/QIB0
とん、とその部隊の隊長らしき人間が何かを押した

それは、後ろに立っていた部下の一人だ

さだのり「なっ…!?」

スパン、と胴体から真っ二つに裂かれたその兵士は、すぐに息をするのをやめた

さだのり「て、てめぇ…!!部下を身代りにしやがったな!!」

「…部下が上司を守るのは、当然のことではないかね」

さだのり「腐ってやがる!!!」

次の攻撃も、その上司は部下を突き飛ばして避けた

いや、避けたというよりも止めた、のほうが正しいか

腕の中にいる雫の目を覆いながら、さだのりが次々と兵士達を斬り伏せる

「素晴らしいな、これは…」

さだのり「…どうした、そう言ってる間に残りはお前ともう一人の部下じゃないか」

「さ、さだのりさん…」

さだのり「なんだよ」

「お、おかしいですよ…こいつら、さっきから攻撃をしてきません」

さだのり「…んなことは分かってる」

少し距離を置いて、両者が睨み合う

「…ふふん、距離を置いて我々の動きを見よう、というのがお前達の選択か」

その兵士が、ポケットから取り出したのは

さだのり(…!!!手榴弾か!)

何度目だろう、もうこの戦争では見飽きるほどに見ている

しかし、絶対にそれに慣れることはない

「距離を置いてくれて助かったぞ、おかげで自分達を巻き込む心配もない」

さだのり「てめぇぇぇぇぇ!!!!」

ピンを外し、兵士がそれを投げる

剣でそれを切り裂こうとした、しかし

さだのり(…!!!)

腕の中に抱きしめた雫が邪魔になり、剣を思い切り振るうことが出来ない

さだのり(ま…まずい…!!!)

地面に手榴弾が落ちる、今からでもさだのりだけが逃げれば、どうにか助かる

この少女を見殺しにすれば

さだのり(…駄目…だ…)

放せない、この少女を放すことは、彼には出来ない


「正義の味方というのはね、そもそも戦争に身を投じたりはしないのだ」


閃光と爆音

それが、辺り一帯を包み込んだ




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