過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
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812: ◆G2uuPnv9Q.[sage saga]
2012/07/09(月) 19:41:00.42 ID:2Pe3/QIB0

さだのり(…今のは…)

凄まじい閃光の中で、さだのりは必死に考えた

あの爆音の大きさは、どうもおかしい

おかしい、というのは大きすぎる、とか響きすぎている、とかではなく

小さすぎるのだ、あの手榴弾のサイズならば、もっと熱も感じるはずだし、それに爆風で周りの地面が抉られるはずだ

だが、それがないのだ、今の爆風で確かに瓦礫は少しばかり動いたが、それらが宙を舞うほどではなかった

さだのり(…!!まさか、今の手榴弾は!!)

さだのりが咄嗟に立ち上がる、腕の中にはまだ雫を抱きしめたままだ

この少女は、なぜか放せない、守りたいと心の底から願うのだ

夏美に、似ているから

さだのり(クレイモア地雷と同じ仕組みか!!)

クレイモア地雷、それは簡単に言えば、爆発そのもので殺傷するのではなく、その爆風によって金属片を飛ばすことで相手を殺すものである

通常のクレイモア地雷は、非常に遠距離までその金属片や子弾が散布される

だがもしも、それを近距離のみに飛ばすことが出来て、なおかつ小型化されたものがあったら

さだのり(いや、これがそれだ!!)

目にはほとんど何も見えない、しかし、さだのりは剣を振るった

金属片が剣に当たる感触がした、さだのりは腕を振り続けた

見えない敵と戦うのが、これほどまでに難しいとは思わなかった

それでも手ごたえはある

さだのり(くそ…!!!)


爆風で巻き上がった砂が、徐々に地面へと落ちていく

「…ほほう」

敵の分隊長が、パンパンと拍手をする

「すごいじゃないか」


さだのり「…」

肩に一つ、脚に一つ、計二つの金属片が刺さった

だが、さだのりは生きている、そして腕の中の少女は無傷だ


さだのり「…運転手…生きてるか」

「な…なんと…か…」

くるりとさだのりが振り返った、運転手をしていた兵士は、腹に一つ、金属片が刺さっている

さだのりよりも後方にいたため、ある程度はさだのりが防いでいたようだ




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