過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
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835: ◆G2uuPnv9Q.[sage saga]
2012/07/12(木) 16:47:04.91 ID:H0Umfwb/0

荒野に、兵士達が集っていた

そこは国境地帯、どちらの国も、血眼になって自分達の領土だと主張する地域

そこに、男を中心にして兵士達は集っていた

「…諸君。今までの長い…いや、日数的には短いのだが、しかし長かった戦いは、恐らくもうすぐ終止符が打たれる」

殺人鬼、化け物、人でなし

男は様々な言葉で形容されるが、しかし同時にかなりの知識人でもあった

知識というのは、何も数学の全てを理解しているとか、何か国語も喋れるとかではない

人々の頂点に立ち、それを率いることが出来る、それが最大の知識なのだ

「…俺達の軍は、まだ1万と4000ほど残っている、対する敵はその6分の1ほどかな…ここに集まったのは200の精鋭達だけだ、俺が強いと思っているヤツらを集めたんだからな」

手を組み、男は笑いながら続ける

周りの兵士達は、隊列を組み、しかしあまり態度のいい姿勢とは言えないような立ち方で聞いている

昔の隊長ならこんな時も直立不動を命じていたな、と笑っていた

「…俺達は奪ってきた、女を犯したな、最高の戦争だったとは思わないか?」

「隊長、そりゃあ誰もがそう思ってますよ」

「…そうだな、俺達は戦争というものを楽しまなきゃならない、結果から喜びを得るのは国のトップだ、なら過程で喜びを得るのは?」

「俺達です」

「その通り…そして、さだのりがここに来たとき、その過程は終わりを迎える」

淡々と語りながら、男は一人の兵士を指差した

屈強な男だ、軍の中でも腕力は一、二を争う

「…お前、人間には二種類の者がいると聞いたことはないか?」

「…いえ」

「食う者と食われる者だ」

「…」

「…さだのりは食う者だった…あいつは2000人ほどの血を体に浴びた獣だ…すっげぇよなぁ、一人でそれだけを片付けたんだ」

「…隊長は…」

「俺は…もっと浴びてみたいのさ、俺は食う者だからな、食われるのは好きじゃねぇ、食うのが好きだ」

時期に食料が届く、たんまり食べろ、と男は言った

先ほどの管制塔に食堂もあった、そこで食べろ、と

「…最後の晩餐になるかもしれない、諸君はほとんどが食われる者なのかもしれない、だが中には食う者もいるはずだ」

「隊長、俺達は食われはしません」

(…馬鹿が)

「…そうだな、お前達は食われない、俺は期待してる…以上だ、諸君の破壊に感謝を述べるよ」

兵士達がその演説に拍手をする

それはどこかの怪しい宗教団体のようだった、しかし力を持ちすぎたものは必ず崇められる

(…お前達の中に食う者は一人もいない)



(一人も、だ)





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