過去ログ - さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」
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884: ◆G2uuPnv9Q.[sage saga]
2012/08/23(木) 10:54:10.38 ID:MHBcUoks0
さだのり「…!」

男が、懐から取り出したのはなんだ?

それは、何度もその男が使ったものだった

阿修羅「しゅ、手榴弾…!!」

さだのり「てめぇ…!!都合が悪くなったら自爆か!?許さん、お前には地獄よりも辛い拷問を味わわせてやらなきゃならねぇのに!!!」

「自爆…だと…?ふ…ふふふ…」

一歩、さらに男は下がった

もう、崖はそこで終わっている、後は死の淵に堕ちるだけだ

「崖の先端と言うのは、基本的に非常に地面が脆い、そんな場所で手榴弾を爆破させたらどうなるか分かるか?」

さだのり「!!」

後ろを振り向き、さだのりは駆けだす

「…この手榴弾はな、最後の最後のためにとっておいた、中々の威力のもんだ」

ピンを外した男が、最後に笑った

「さだのり、阿修羅…あぁー、残念だ…出来ればお前達の心臓を抉り出して、そいつをカラスにでも食わせてやりたかった…」

さだのり「阿修羅、離れろ!!」

阿修羅「ダメだ、この場所じゃまだ爆風が届く…」


「とっておきだぁ!!あばよ阿修羅、さだのり!!俺は地獄で待っててやろう、三途の川で再開したら!!!文字通り死のない戦いを繰り広げようじゃぁないか!!!」

その瞬間、凄まじい爆風と閃光が辺りを包んだ


バラバラ、と地面が崩れる音

男は、頭上を見上げた

二人の人影が、一応は見えている

爆風に吹き飛ばされたさだのりと阿修羅は、どうにか崖の崩壊には巻き込まれなかったようだ

(あぁ…幸せだなぁ…)

生まれた時に何も持たず、死んでいく時にも何も持たない

プラスマイナスゼロの人生だった

(…面白かったなぁ、それでもさぁ…)

すぅっ、と目を閉じた男の瞼の裏に浮かんだのは、なぜかさだのりや阿修羅ではなかった


(…アイリンかぁ…会いてぇなぁ…)


そりゃ無理だ、と自分の心の中で男は笑った

彼女は天国に、自分は地獄に行くのだろうから、もしもそれがあるのならば



どれほどの時間、まっさかさまに落ちただろうか

首をへし折る衝撃が体に伝わって、男の命は絶えた




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