過去ログ - キョン「全世界をひっくり返しても必ずお前を取り戻す」
↓
1-
覧
板
20
51
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2011/07/12(火) 20:26:40.13 ID:XTkHCf7H0
「あの頃の涼宮さんならば。今日の朝比奈さんと鶴屋さんのような睦まじい間柄の他愛の無いやり取りを目の当たりにされても苛立ちしか覚えられなかったはずなのです」
「大人になったんだろ、アイツもな」
果たして大人になるというのが具体的に何を指すのか。俺にだってそんな事は分かっちゃいない。心穏やかに過ごせるようになる事か、それとも一人は寂しいものだと自覚する事を言うのか。まだガキの時分を抜け出せていない俺には理解出来ない領域の話さ。
以下略
52
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2011/07/12(火) 20:44:53.36 ID:XTkHCf7H0
果たして古泉は俺の言葉に「……職業病ですね、すいません」と言って苦笑した。北高名物心臓破りの坂に差し掛かり、もう何度目だったかも覚えの無い荷物持ち交代をする際に古泉はポツリと言った。
「貴方は、変わりましたね」
俺に言わせて貰えりゃお前だってこの一年で随分変わったんだと、言い返す気力は夏日が奪い取っちまっていた。
以下略
53
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2011/07/12(火) 21:00:14.81 ID:XTkHCf7H0
なんて思いながら視線をコンビニから帰路へと戻した。コンビニを過ぎてしまえば住宅街へと続く道。俺の家もその住宅街の一角に有る。その道沿いにその見知らぬ少女は居た。
外灯の明かりが作り出す白いおぼろな円を出たら明日の自分は不幸になるって自分ルールでも作っちまったみたいに円の中心を違わずすっくと立つソイツ。立ち尽くす、といった感じでも無ければ誰かを待っているってようにも見えない。
ん? ……あの制服、北高だな。
以下略
54
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2011/07/12(火) 21:21:37.75 ID:XTkHCf7H0
ええい、告白されんのが俺って決まった訳じゃないぞ。それに告白するつもりなんじゃないかってのも穴だらけの推理によるものだ。この住宅街から北高に通ってる男子って他に誰が居たっけ……えっと……。
古今稀に見る超高速で頭の中に有る虫食いだらけのタウンページを捲っていく。歩みは止めないが、意識していないと緊張して右手と右足が一緒に出てしまいそうだからそっちにも気を配らねばならん。チラリと気付かれないようにその少女のご尊顔を拝見させて頂けば、これがまあ「マジかよ」と脳内で絶叫してしまうに足りる美少女である。
誰だ? 誰に告白する気なんだ。三組の鈴木か? それとも七組の吉田か? もしかして俺じゃないだろうな? 見覚えの無い娘なれど「だったらお友達から」なんて返答を既に弾薬庫に用意してしまっている俺は……だって仕方ないじゃないか。美少女だぞ、美少女! それも毛色は違えどハルヒや朝比奈さんレベルのとびっきり。
以下略
55
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2011/07/12(火) 21:48:26.36 ID:XTkHCf7H0
「……あー、っと」
立ち塞がったんならそっちから声を掛けてくれよ。どうして俺が何と言って切り出そうかを考えなくちゃならないんだ。良い天気だな? 阿呆か。時間を考えろよ、俺。
「俺に……何か用か?」
以下略
56
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]
2011/07/13(水) 01:01:37.15 ID:Dq6BfiN/o
いいところで切るなあw
57
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]
2011/07/13(水) 10:10:30.36 ID:KIc8HOTOo
続きまってるでー
58
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2011/07/14(木) 20:29:12.96 ID:XWS9/qTJ0
だが、ちょっと待ってくれ。突然の謝罪に申し訳なくなっちまうのは俺の方だ。そんな事されてみろ。俺の姿をした俺ではない俺。まさかのドッペルゲンガーの仕業を疑ってしまうじゃねえか。
あながち無いとも言い切れないのが更にタチが悪い。最近大人しいと思っていたら単なるフェイクでしかなくて、またやってくれたのか、あの神様は?
何かが有れば即「今度はハルヒのヤツ、何やらかしやがったんだ」と思考を巡らせてしまうように、この一年半でなってしまった。どんな親切を目の前の美少女にやらかしたのかは知らないが、それでも俺の評判を上げてくれてありがとうよなんざどうしたって思えない。当たり前だ。思える訳ねえ。
以下略
59
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2011/07/14(木) 20:43:19.33 ID:XWS9/qTJ0
「助けた? 俺が、君を?」
「そう」
「いや、覚えが無いんだけどさ」
以下略
60
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]
2011/07/14(木) 20:59:07.61 ID:biLTotwjo
またいい所で
61
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2011/07/14(木) 20:59:32.35 ID:XWS9/qTJ0
「……そう」
もしかして、この子は三文節以上続けて喋る事が出来ないとか、そういった呪いめいたものに罹っているのではないかなどと失礼な事を考えてしまう。それくらい謎の美少女は言葉が少なかった。全く喋らないというのではないが……物静かではなく無口系なのはたったこれだけのやり取りでもよく分かったよ。
「でもって、出来れば俺が君を助けたっていう、その詳細を教えてくれたら今度は俺が助かる。それで貸し借りをチャラに出来るレベルでそりゃもう助かるんだ」
以下略
151Res/122.06 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - キョン「全世界をひっくり返しても必ずお前を取り戻す」 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1309855645/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice