30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:52:17.71 ID:kPL2CQfgo
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それでも、はっきり、この気持ちが恋だと気付いてからは、まだ日が浅い。
戸惑いはしなかった。
それは新しく生まれた気持ちではなく、ずっと私の中にあったものだから。
「ねえ、和ちゃん」
日曜日の騒がしい街中で私は和ちゃんに話しかけた。
その日は計画して待ち合わせたわけじゃなく、本当に偶然で和ちゃんに出会ったのだ。
私たちはどちらから言いだすのでもなく、いつのまにか一緒にお店を見て回っていた。
お店を出てすぐのことだった。
そのころ私は例の「思い」にとりつかれていて、それは成長してずっしりとした重さをすでに持っていた。
私はふと、あれを話すのにちょうどいいと思った。
その日はいつもよりは上手に話せそうな気もしていた。
おかしなことに、その日の和ちゃんがどんな返事を私にくれたのかは思いだすことができない。
こんな大切な日の、大事なことなのに忘れてしまったことが、くやしい。
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