過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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132:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/17(日) 21:09:04.11 ID:3guX2yCAO
〜4〜

御坂「本当にすいませんでした……」

麦野「……カップを取り違えた私も悪かった。けどそれとこれとは話が別だ。わかるね超電磁砲(レールガン)」

御坂「はい……」

麦野「秋物の新作にすっぱいレールガンぶち撒けやがって。どう落とし前つけてくれんだ」

御坂「言葉もありません……」

麦野「まあ……もう良いんだけどさ。私も出来るもんなら忘れたい。色々と」

タクシー待ちの最中、嘔吐した御坂により麦野のトレードマークでもある秋物らしい明るい色の半袖コートはその短い生涯を終えた。
その一方で常盤台のブレザーもかなりの被害を被り、麦野は御坂が寝ている間にシャワーで水洗いしていたのだ。
本当は焼き捨てるなりしたかったが――美鈴から頼まれた手前思い止まったのだ。

麦野「じゃあ、本当に何も覚えてないのね?」

御坂「うん……全然」

麦野「(まあ覚えてたら私の顔真っ直ぐみれねえよな。私だって目合わせたくないし)はい」

そう言いながら麦野は冷蔵庫からソルティライムを取り出して御坂に後ろ手に放った。吐いた後の水分補給である。
本当ならば吐く前にポカリスエットなりアクエリアスなり飲ませれば全く苦しまずに吐けるものだが間に合わなかったのだ。
それを受け取った御坂はキス魔に変身した事も美鈴の事も覚えていないらしい。

御坂「あっ、ありがとう……(……なんかさっきまでより優しくない?)」

麦野「(とぼけたガキね。親の顔が見てみたいもんだわ。もう見たけど)」

御坂「(意外と家庭的だし、もしかして面倒見いいんじゃ……)」ジー

麦野「(なにガンつけてんだ殺すぞ)どうしたの?」ニコッ

御坂「な、なんでもないっ。それより、ふ、服洗ってくれてありがとうね?汚いの触らせちゃって…本当にごめん(あっ、やっぱり笑うと本当に美人なんだこの人……)」ニ、ニコッ

麦野「どういたしまして(なにニヤニヤしてんだブチ殺すぞ)」ニコニコ

御坂「(そ、そうよね……本当に悪いだけのヤツなんていないもの)」ニコッ

また麦野も言わない。キス魔の件は冗談としてお茶を濁し、美鈴の件は伏せておいた。
せいぜい次に親と顔を合わせた時に大恥かきな、という悪意を秘めた笑顔である。
騙されるな御坂。落とし穴の上には金貨が置かれているものだ。と




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