過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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151:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/17(日) 21:41:37.21 ID:3guX2yCAO
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『こいつは私と違っている』というのと、『私はこいつみたいになれない』というのは似ているようで違う。

御坂は、私にとって一番大嫌いな人種(タイプ)だ。
テメエが正しけりゃ他の人間が間違ってんのかと、テメエが正義の味方なら他の人間は悪のやられ役かと。
こいつは私と違って人を殺さない。殺せない。例え自分が死ぬ事になろうと曲げないだろう。
だから独り善がりな正義感で誰も彼も殴れる。だって相手に負うものも自分に失うものもないから。

私の意地の悪い見方からすりゃ、テメエの手を汚さない。
涙を流そうが汗を垂らそうが血を吐こうが最後には必ず報われる。
こいつはこいつで悩みもあるだろう。苦しみもあるだろう。
私とこいつが違っていて当たり前だし、むしろ同じだったら気色悪くて吐き気がする。

こいつは、掛け値無しに正義のヒロインなんだ。

汚れていない手を誰とでも結べる。穢れていない心は折れても砕けても割れても壊れる事がない。
永遠だなんて、砂糖水に漬けっ放しでふやけた価値観(ラベル)を貼られたダイヤモンドみたいにね。
ダイヤモンドは古いギリシャ語で『征服せざる者』って意味もある。
私はこいつだけがどうしても倒せない。どうやっても殺せない。

こいつは、月のようなインデックスとも星のような私とも違う。
月は昼間でも霞んで浮かぶ。夜の中でも優しく輝く。
私は星だ。誰かに選ばれるのを待っていた、いくつものある名前のない屑星の一つ。
こいつのように晴れ渡る空にあって、例え雲がかかるその向こうで絶えず輝く太陽のような女だ。

十把一絡げの有象無象の星の嵐のような私と違う、誰にでも降り注ぐ一つしかない太陽だ。
御坂、私はテメエが大嫌いだ。腹の底から心の底から魂の底からテメエの事が大嫌いなんだよ。
だってお前はイイヤツだから。だって私はワルいヤツだから。

当麻の側にいて、私がいて、噛みついて来るテメエがいて、見守るインデックスがいて……
あんたほど私にコンプレックスを感じさせる女は他にいない。
料理だろうが戦闘だろうが能力だろうが美貌だろうが私は何一つとしてあんたに譲るもんなんてない。
だけどもし私が……きっと私が当麻の側にいて、ずっとずっと……
そう、ずっとずっと考えてる事を――あんたは生まれながらにクリアしてるんだよ。御坂。

私が何を考えてるか――あんたにわかる?




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