過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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177:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/19(火) 21:20:25.04 ID:5HPWMU5AO
〜12〜

麦野「!!!???」ビクッ

御坂「ちょっ、ちょっと何て顔してんのよ!?どんなリアクションよそれは!?」

麦野「」

御坂「(あっ、やっぱり。この人言われた事ないんだこういうの……)」

そこでの麦野の表情は、御坂が見て来た中でこれ以上ない驚き顔であった。
まるで昼寝中に尻尾を踏んづけられた猫のように。
そこで御坂は思い当たる。この女は絶えず周囲を威圧する事で己の椅子を確保して来た人間だ。
つまり――対等な目線で、直球の好意をぶつけられた事がない。

麦野「ふ、巫山戯けんな……テメエと友達なんてくくり、へへ反吐が出るわよ」

御坂「この期に及んでまだ人を舐め腐った態度を止めないのは感心するけど、グズグズのズルズルじゃない」

言わば地獄甲子園クラスのデッドボール、孫六もビックリの荒れ球のインハイ、肩繰高のファックボールetc.……
麦野沈利は言わばアストロ球団も真っ青な世界でピッチャー返しを連発して来た人種である。
そこに思春期の息子に父親が投げるキャッチボールのような球が投げられたのだ。見逃し三振以前の問題である。

御坂「……ふー。何よ、私と友達になるの、そんなリアクションされなきゃいけないくらい生理的に無理なの?流石の美琴センセーもそれはヘコむわ」

麦野「待ってよ……あんたまだ酒残ってんの?」

御坂「ないわよっ!」

麦野の目が泳いでいる。切り返しに力がない。御坂の顔を撫でる手が止まっている。
それに対し御坂は膝枕から頭を上げ身体を起こしソファーの上でお見合いの形を取る。

御坂「だからさ……あんたが見た目より色んな事考えてるのもわかる。どんなに口が悪くたって本当は優しいし、嫌いなところまだまだあるし、アイツの事でもいろいろあるけどさ……」

麦野「――――――」

御坂「……もう、顔合わせる度に罵りあったり喧嘩するの、止めよう?お互い疲れるし、私もずっとあんたとこのままってイヤなのよ」

麦野「……白旗上げるって事?」

御坂「違うわよ!張り合うのはともかく煽り合い罵り合いをやめようって!あんたも疲れるでしょ?私だってあんたは嫌い。だけどこのままでいるよりずっとマシってだけ!ほらっ」

そこで御坂が差し出したのは――紛う事無き握手の形。
俗に言うシェイクハンドである。しかし麦野はそれをキョトンと見つめ――




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