過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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211:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/21(木) 20:54:50.98 ID:7OOgLsNAO
〜7〜

駒場「……モノレール?そう言えば、まだお前達が何故居合わせたのか……聞いていなかったな」

フレメア「………………」

駒場「……舶来?」

三人はコンビニの駐車場、その車止め近くに腰を下ろしていた。
駒場はスーパーの袋をシート代わりに丸々一本のハム、サバの水煮缶、生卵のパックを広げて。
垣根はコンビニのガラスに凭れかかるようにしてコーヒーを飲み、フレメアは背中から下ろしたランドセルを開く形で――
バツが悪そうな……そう、まるで先生に怒られる前の子供のように悄然と俯いた。が

垣根「――霧ヶ丘の女学院だか付属だかに絡まれてんだよ、ソイツ」

フレメア「言わないで!」

駒場「……そうなのか?」

フレメア「………………」

駒場「……そうなんだな?」

とぼけた顔で悪びれた風もなく垣根が語り、フレメアが押し黙り、その隣で駒場が顔を上げる。
フレメアは答えない。言いたくないのだろう。
だがしかしそれに付き合う義理もない垣根はおもむろに煙草を取り出して咥え、炙った穂先から立ち上る紫煙を美味そうにくゆらせた

垣根「そのガキな、自分達無能力者はゴミなんかじゃない、あなた達と何も変わらない同じ人間だ……エラい剣幕で食い下がってたぜ。おかげでこちとらこのコーヒーがねえと寝ちまいそうなくらい睡眠不足だ」

駒場「……お前が、それを助けてくれたのか」

垣根「そんなつもりじゃねえよ。ただの寝起きのムカつきぶちまける誰かが、たまたま輪にかけて五月蝿え馬鹿ガキ二人だったってだけだ」

文字通り煙に巻いて出た言葉が、乳白色の煙と共に夜風に溶けて舞い散る。
雲一つない、夜の海に揺蕩う海月に雲をかけるようなその仕草に、駒場は垣根と言う男の一端を知った。

駒場「……礼を言う」

垣根「もうもらってる」

チャプチャプと手中のRootsの缶を揺らして垣根はどういたしましてと目線を切った。
それにフレメアが一瞬非難がましい視線を送るも……

駒場「……舶来」

フレメア「……だって、だって」

ギュッとスカートの裾を握り込むようにしてフレメアは俯いたまま言葉を紡ぐ。
駒場はその巨体を屈めると言うより縮めるようにしてフレメアと向かい合う。
それは幼い姫君に剣を預ける騎士の絵画のようにも垣根には見えた。




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