過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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210:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/21(木) 20:52:50.04 ID:7OOgLsNAO
〜6〜

一手足りない、と駒場利徳は感じていた。それは自らの計画を言わば俯瞰的に見られる『鳥の目』からだ。
駒場の指示に従い手足となって動いている浜面らは言わば平面的に見る『獣の目』である。
そう、一手足りない……それは『必ず勝つ』『決して負けない』と言う相反する勝利条件。
すなわち『計画が頓挫してもしなくても無能力者狩りを止める』と言う一手。

フレメア「駒場のお兄ちゃんどうしたの?大体、いつもより難しいお顔してるよ?」

駒場「……何でもない、少し疲れただけだ」

フレメア「お休み出来ないの?もう寝る時間なのに?」

駒場「……“宿題”が溜まっていてな。なかなかはかどらなくて困っている」

フレメア「ふーん……どれくらい?」

宿題……自分がそういうものに頭を悩ませていたのはいつ頃だったかさえ記憶は朧気だと駒場は感じていた。
踏み入れた路地裏の世界。スキルアウトと言ってもそれこそ寮にも学校にも帰らず路上生活している者は1%に満たない。
潜在的には一万人は存在されると言われるスキルアウトにあってさえ帰る場所は必要なのだ。

駒場「……山積みだ」

フレメア「大体、夏休みの宿題よりいっぱい?」

駒場「――……そうだな」ヨシヨシ

フレメア「/////////」

駒場利徳は考える。最初はただ居場所が欲しかった。
学校、教室、机……そこに自分達の居場所はなかった。
居場所を作るためと言う建て前だけでは許されないような事もして来た。
自分も多分に漏れずその一人であったし、そんな自分が掃き捨てられるこの10月の落ち葉のような吹き溜まりの王となった時――
出来た事は、その中にあってスープを吸い過ぎた麺のようによれよれな『一線』を引く事だけだった。そして

駒場「……舶来、お前の宿題は終わったのか?」

フレメア「あっ……いけない」チラッ

垣根「おいコラ!“このお兄ちゃんに連れ回されて宿題が出来ませんでした”みたいな目でこっち見んのやめろ!!」

フレメア「大体、その通りじゃない?違う?」

垣根「……女って絶対わかりきった答えを男の口から言わせたがるよなクソッタレ……ああわかった!見てやるから宿題出せよ」

フレメア「えっ?お兄ちゃん、大体何年も学校行ってないってモノレールで言ってなかった?大丈夫?」

垣根「ムカついた。舐めてやがるなテメエ」ビキビキ

この温い灯火を何としてでも守りたかったのだ。何に代えても


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