過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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288:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/29(金) 21:13:29.40 ID:0s0AWUMAO
〜9〜

吹寄「……そうなの?」

上条「は、ははは吹寄さん?上条さんにそんな浮ついた話はありませんの事ですよ」

土御門「(俺のグラサン……)」

吹寄「相手は?あの茶髪の上級生?」

土御門「(イラッ)」

上条「なっ、何故こんな取り調べみたいな流れに!?違うよな?違うよなあ土御門?」

土御門「壁が薄くて嫁さんの声がヤバい」

上条「裏切り者ォォォォォォォォォォ!」

吹寄「質問に答えなさい上条当麻!!」

何故財布を無くした落とした忘れたからこんな流れになったのかと上条は収まりの悪い髪の毛をかきむしりたくなった。
しかしこんなもので収まらないのは吹寄の追求である。

吹寄「(やっぱり……あの大覇星祭の時の)」

吹寄は大覇星祭の折り、上条の影に見え隠れしていたその女性を目にしている。
冷ややかな微笑と凍てついた眼差し、熱を感じさせない氷の女王然とした美貌。
自分達の周囲にいないであろうタイプのその佇まいを。

上条「え、えー……すまん吹寄!!どうかその俺達男子の夢が詰まった豊かな胸の中に収めてくれ!!」

吹寄「全く貴様というヤツは!貴様はまだ学生でしょう?校則以前に常識の問題じゃない!それに胸は関係ないでしょ!胸は!!」

無論吹寄とて本気で咎めている訳ではない。当然誉められたものでもないが――
確かに自分は額と頭は固いかも知れない……だがそこまで四角四面なつもりでもない。
ただ、気になっている事が一つあるのだ。それは――姫神の事である。

吹寄「(姫神さん……)」

姫神が転校して来て約1ヶ月ほどではあるが気づいた事がある。
それは姫神が上条に向ける眼差しに込められた感情だ。
恐らく鈍いであろう上条は気づいていないだろうが聡い吹寄からすればその目に宿る淡い光の名前を――
世間一般で何と呼ぶかを知っている。たったひと月であろうとも。

上条「テメエのせいだぞ土御門!」

土御門「バナナミルクシェーキもう一本やるから勘弁して欲しいにゃー♪」

上条「もう一本もいらねえからありったけ殴らせろ」

そう、この今も醜い仲間割れにじゃれついているようなこのクラスメートを……
自分の友達がどう懸想しているかを思うと胸が痛くなるのだ。




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