過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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304:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/29(金) 21:35:37.79 ID:0s0AWUMAO
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禁書目録「ゴミ箱どこかな??」

プラチナブロンドの髪を翻らせる枯れ葉色の風が吹き抜けて行く中、インデックスはやや手広い公園内を行く。
ローマ市内を思わせる石畳を踏みしめる足取りは軽やかで、それは上条当麻に喜んでもらえたという事実が翼を与えたかのように。

禁書目録「ここは初めて来る所かも」

キョロキョロと走らせる眼差しと足取りは小鳥のようであり、役目を終えた緑樹と役目を果たす風車とがその眼差しに映る。
インデックスにとっては何度目かになる初めての秋の訪れ。
その秋空を渡る鳩達がバサバサと羽ばたいては地面に降り立って――

???「………………」

禁書目録「(あの人の回りだけ鳩が集まってるんだよ)」

鳩の群れが一つのベンチの周辺に集まって来ているのがインデックスに留まる。
――その中心には、一人の青年がパン屑を撒き、そこに鳩達が食いついているのが見て取れた。
仕立ての良いスーツ姿と、インデックスと同じように異国の血が流れていると思しき彫りの深い顔立ち。
余程上背があるのか腰掛けたベンチで背中を丸めるようにしていて尚、佇むインデックスと同じ目線の高さほどである。

禁書目録「何してるの?」

???「瞭然。鳩に餌やりをしている。店のパンが余ってしまったのでな。食べきれない分を手伝ってもらっている」

禁書目録「ふーん……」チラッ

???「……憮然。私は怪しい者ではない。警備員を呼ぶ心積もりならば思い止まって欲しい」

禁書目録「ち、違うんだよ!ただ、ちょっと良いなあって思っただけかも」

???「……君も、やってみるか?」

禁書目録「いいの?」

???「恬然。それこそ売るほどあるのだ。食べきれないほどのパンがね」

インデックスの眼差しに気づいた青年の発した声音はまるで壮年のように滋味深く、どこか懐かしい響きがあった。
インデックスにはそれが『思い出せない』。声だけは聞き覚えがあるような、そんな不思議な感覚。
こんな右耳に色濃く残る白いケロイドや、吸血鬼に噛まれたあとのような鍼灸痕と言った目立つ特徴があればすぐさま思い出せるはずなのに。

禁書目録「じゃあ私も餌やりしたいんだよ!あとパンが余ってるなら分けて欲しい……あっ、しずりから知らない人からご飯もらっちゃいけないって言われたかも」

――インデックスには、その青年が誰なのかがわからない――




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