過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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327:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/08/02(火) 21:09:31.40 ID:lrjKmZUAO
〜5〜

ガタンガタン、ガタンガタン

上条「不幸だ……」

麦野「一日に二度も言わせないでくんない?自業自得よ自業自得」

上条「あんくらいでカリカリすんなって……上条さんは社会の窓が開いてたってあんなキレねえよ」

麦野「男と女を同じ物差しで計んな!!あんた私が他の男に見られて平気な訳!?」

上条「いや、それはイヤだ。絶対イヤだ」

麦野「……私だって」

上条「?」

麦野「私だって……あんたしか……こんなの見せられないし……あんただから……見せられるし」

上条「〜〜〜〜〜〜」ギューッ

麦野「ちょっ、ちょっと苦しいっ」

そしてトマト祭りから帰って来たばかりのようになった上条を引きずって麦野はモノレールに乗り込んだ。
しかしちょうど一回目の帰宅ラッシュにぶつかったためか二人は座席に腰掛けるゆとりもないまま吊革に掴まる。
それも上条がぶら下がっている一本しか空きがないため、麦野は必然的に上条にしがみつくような体勢になっていた。

麦野「(んっ……?)当麻……今日体育かなんかあった?」

上条「あ、ああ……四時間目に合ったんだけど……悪い、汗臭かったか」

麦野「……汗の匂いはするけど、別に臭くないわよ(当麻の匂いがする……)」

故に――麦野は上条の胸元から首筋にかけて鼻先を埋めるように身体を持たせかけるような体勢となってしまっている。
麦野はフラゴナールの香水を愛用しているが実は欠点とも言うべき体質が一つある。
それは暗部に長く身を置いていたため、血腥さや死臭で鼻があまり良くないのだ。
そのためか、匂いに敏感な人間よりも逆に匂いにうるさい。
垣根やステイルなどの喫煙者に嫌味を言わずにいられないのはそのためだ。しかし

麦野「(ヤバい……私変態みたいだ……変態って言うか頭おかしい女みたい)」

この時麦野が上条の汗の匂いに感じたのは、若い男女の旺盛な好奇心と貪欲さに流す汗に対する条件反射。
ベッドの上でそういう事をしている訳でもないのに一瞬身体が誤認し誤作動し、それを恥ずかしく思ったのだ。
上条のパジャマの匂いを嗅いだりワイシャツを寝間着代わりに使うのも、上条の匂いに安心するからかも知れない。

麦野「(初めてのお泊まりの時もこうしてたっけ……なんか懐かしいにゃーん)」

上条「どうした?」

麦野「なんでもねえよ!!」

プルースト効果が褪せるほど馴染み慣らされきってしまって。


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