過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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328:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/08/02(火) 21:09:59.80 ID:lrjKmZUAO
〜6〜

麦野「でもさ」

上条「うん?」

麦野「これから行く遊園地ってどんな所?4Dアトラクションが出来たって事以外チェック入れてないのよねえ」

上条「んー……遊園地っつっても“外”のオズワルドランドくらいあるみたいなんだ。俺も初めて行くんだけどさ」

麦野「オズワルドランドって、あの千葉にあるくせに東京とか言ってるヤツ?」

上条「そうそう。あれなんで千葉にあんのに東京なんだろうな」

こうやってあんたの身体にしがみつきながらモノレールに揺られてると、いつも考える事があるんだ。
7月7日。私とあんたが付き合った日。初めてお泊まりした日。初めて交わした日。初めて尽くしの日。
あの日がもし晴れじゃなくて雨だったら、私達はどうなってのかなって思う時があるの。

織女星祭。学園都市の七夕祭り。あの日私達があれだけ大胆になれたのはきっとイベントの空気というか……
雰囲気の後押しもそう軽くないウェイトであったと思うのよね。
私は素直じゃないから遠回しにあんたを引き出して遠回りに思いを伝える事しか出来ずにいた。

あんたは素直で嘘のつけない馬鹿だけど、色々鈍感過ぎて本当は結構ヤキモキしてた。
初めてのキスが血の味だなんて、人殺しの私にはお誂え向きだけど……
本当は少し恥ずかしくて、本当は少し怖かった。
キスした後さえそんなにブレないあんたを見てて、舞い上がってるのは私だけなんじゃないかってさ。

上条「俺さ、もう少ししたらスクーターの免許取りてえなって思ってんだ」

麦野「スクーター?どうしてよ」

上条「んー結構俺達が遊んだりとかどっか行くともう最終下校時間過ぎで電車とかバスない時あるだろ?それで」

麦野「――スクーター、ねえ?」

上条「あと……ちょっとだけ男の子の憧れっつうか夢って言うか」

麦野「?」

上条「その……沈利をさ、後ろに乗せてさ?こう……」

麦野「おいおい。これから寒くなんのに原チャリとか……そうねえ」

でもこんなガキみたいな事ちょっと恥ずかしそうにして言うあんたと、それに少し真剣さをプラスしたあの時のあんた。
本当はスッゴく嬉しかった。私と同じ真剣になってくれた。私はそれが嬉しかったんだよ。当麻

麦野「――あったかくなる春になったら、考えてあげる」

片思いだけで満足だったのに、それが両想いになれただなんてさ。

あの空に瞬いていた織姫と彦星みたいに。


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