過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/08/07(日) 21:53:57.65 ID:UIeiMW9AO
〜31〜
???『ははっ。それは僕がありとあらゆる女の子を受け入れる包容力を持ってるからなんよ?』
食蜂『……そうなのぉ?あなた、私が怖くないのぉ?どうして』
あなたはどこの誰なの?どうして私を助けてくれたの?なんのためにこんな事するの?
食蜂は矢継ぎ早に質問を繰り出す。まだ頭がガンガンと痛んで起き上がれない。
向日葵の頭をツンツンとつつく少年の、逆光の彼方にある顔が見えない。
???『――理由なんて別にないよ??』
食蜂『……?』
???『ただ、僕の大好きな友達やったらこないな時どうするかなーって思うたら、つい手が出てもうた』
僕が一番可愛いんは自分なんやけどねえ、と少年はこの青空にも負けないほど深いプルシアンブルーの頭をかきながら微苦笑したように見えた。
耳元のピアスが西日を受けて反射し、食蜂はそれが眩しくてつい目を細めた。
食蜂『友達ぃ……?』
???『そや。友達。でも君の友達作りは誉められたもんちゃうよ?』
食蜂『どうしてぇ?』
???『友達言うんは自分と対等な人間や。同じ人間なんやから“心”があんねん。その心をなんぼ便利やからってオモチャみたいにいじくる子は僕は嫌いやよ?』
食蜂『(……嫌い……)』
嫌い、という単語を食蜂は生まれて初めて面と向かって人に言われた事実を反芻していた。
今まで自分は“好き”と言われた事はあっても“嫌い”などと言われた事はなかった。
自分を悪く言う人間、自分を悪く思う人間、そのノイズやバグの垂れ流しを――
自分は従えた派閥の人間を風除けの城壁にし、常盤台を王城とし、そこに君臨する女王となって防いで来たのだ。
チューニングのズレたラジオのような、調律の甘いピアノのようにその不協和音は耳障りだったから。
???『まあ……僕もちょっと前まで、友達出来るまで君と似たようなもんやったから人の事言われへんけど』
自分の能力を、学園都市全体の監視網に技術転用されてグレて頭青くしたりなと少年はつけ加えた。
僕の能力で役に立ったんは、せいぜい遊園地のアトラクションに使われて子供に喜んで遊んでもらうくらいや、とも。
???『――でも、こんな僕でも』
食蜂『………………』
???『友達のおかげで変われて、今がある。昨日は晩御飯までご馳走になったし、毎日アホばっかやって楽しい』
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