過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/07/10(日) 12:42:04.70 ID:U58nKrMAO
〜11〜
上条「悪いなホント……いきなりになっちまって」
麦野「別に。気が乗らなきゃ作らないし、別にあいつらのためじゃなくってあんたに食べさせる分だと思えば腹も立たないし、かかる手前は同じよ」
上条「(本当素直じゃねえよなあこいつ……いや、わかりやすいんだけどさ)」
ガサッと台所にお買い物エコバックを下ろし、麦野が右手を腰に当て左手をプラプラと振る。
麦野という女性は御坂のようなある種のテンプレート的な、所謂ツンデレとはやや趣が異なる。
どちらかと言えば臍曲がりなタイプだと言うのが上条の中の結論である。
他人から寄せられる好意を拒絶し、自分の行為の中にある善性を否定する。
麦野「……本当なら、お泊まりの日に作ってあげたかったんだけどね」
上条「インデックス、怒るぞ?」
麦野「五月蝿え。あんたは私のものよ。他の誰に憚るつもりもないわ」
お泊まりの日、というのはこの奇妙な同居生活に設けられた一つの法である。
平日は上条とインデックスがこの部屋で生活しているが、土日は麦野が上条を自分の部屋に招くのである。
若干変則的な生活であるが、これが通い妻(麦野)と押し掛け女房(インデックス)の間に結ばれた協定である。
麦野「だいたいね……」ぼそっ
上条「ん?なんだ?もう一回……」
麦野「」チュッ
上条「!!?」
麦野「な・ん・で・も・な・い」
かと思えば、小声で耳打ちすると見せかけてキスを送ったりする。
それもキッチンの物陰でこっそりと、悪戯をしている子供のように。
思わぬ不意打ちに頬を押さえる上条だが、麦野は悪びれた風もない。
麦野「あいつら帰るまでこれで我慢してやるよ」
上条「………………」
麦野「おいおい黙り込まないでよ。優しくさすってやれば元に戻るかにゃーん?」
麦野という女性は愛情表現が極端に下手である。それはぶっきらぼうでも冷めている訳でもなく……
どうしたら良いか、どうしたいのかが自分でも常に手探りなのだ。
先程地下街付近で上条を冬眠から目覚めた鬼熊が鮭を狩るように屠ったのがその証左である。
上条が本気で浮気するなどと微塵も思っていない。ただ――
上条「……てる」
麦野「えっ?」
上条「見られてますよ……麦野さん」
麦野「!!?」
全員「「「「(ジー)」」」」
その時、全員の視線が麦野に注がれていた。痛いほどに
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