過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/08/14(日) 20:52:25.23 ID:0rnOj66AO
〜11〜
一方……沈みきった夕陽に取って代わる夜の帳が上がる頃、浜面仕上は路地裏にいた。
一見どこにでもある普通の街並みの入口には長さ10センチから30センチほどの鉄杭が葦原のように突き立ち――
ドラム型の清掃ロボットと一般人の立ち入りを頑なに拒むバリケードが張り巡らされていた。
浜面「駒場のリーダー……」
胸に空いた穴を虚ろに響かせる吹き荒ぶ風が、聳え立つビルとビルとの間に張り巡らされたビニールシートを煽る。
その内の一つは何故か留め具が外れてはバタバタと捲れ上がり、そこから月灯りが射し込んでいた。
その光が照らす先、浜面が立つビルの壁面にぶちまけられた乾いた血糊。
それは佇む浜面に否応無しに一つの現実を突きつけて来る。
浜面「勝手過ぎんだろうが!最後の最後になってケツ回しやがって……俺に一体どうしろってんだよ!!」
駒場利徳はもういないという現実が、浜面の中で四つの考えとなってせめぎ合う。
一つ、駒場はただ雲隠れしているだけなのだと。
二つ、駒場は『計画』の最後の最後で臆病風に吹かれて逃げ出したのだと。
三つ……駒場は『死体も残らない』死に方をしたのだと。
一、ニは浜面の希望的観測……ないし願望に基づく仮定だ。形はどうあれ生きているのだと。
しかし浜面とて理解している。そんなものは逃避だ。
三の最も現実的な可能性を覆すには到底至らない。
浜面「(昨夜だって俺達と飲めねえ安酒飲んでたろうが!)」
浜面の精神の魂柱とも言うべき部分が軋み、内面から奏でられる旋律に歪みが生じる。
たった今も駒場のように『指揮』を執るでもなく半蔵のように『指示』を出すでもなく……
ただ自分に不信と不平と不満の眼差しを向けて来るスキルアウトのメンバーにただ『命令』を下すだけのミーティングが終わったばかりだった。
故に浜面はその場を離れて駒場が最後に目撃されたこの場所に佇んでいる。
誰も自分を追って来ない、探しに来ない、ついて来ない。
こうしている間にも自分を陥れる算段を取り付け密議を交わしている気さえする。
浜面「(これが……あんたの見てた世界かよ……あんたの見てた風景だってのかよ!!)」
浜面は思い返す。昨夜、食事休憩を終えて戻って来た駒場との最後の会話を――
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