過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/08/14(日) 21:07:51.69 ID:0rnOj66AO
〜21〜
コートを脱いで来ても良かったかな、とふと思った。
それはこの肌寒い秋風の中にあって私一人じゃないって事、この静かな月夜の下にあってこいつがいるって事。
指を絡める、手を繋ぐ、腕を組むだけじゃ物足りなく感じてる私。
コートは私を寒さから守ってくれる。あたためてもくれる。
だけどこいつから伝わる体温を感じるのに少し邪魔になる。
0.02の薄っぺらい膜が中でこすれて痛く感じる時のような焦れったさともどかしさと狂おしさと愛おしさ。
私の中のドロドロした部分は、時にこいつを溶かして飲み込んでしまいたいと感じているのかも知れない。
一つになるという行為。同化するという物事。深く繋がるほど感じる隔たりはそのままこいつと私の心の距離。
仮にこいつと良く似た子供を宿したとして、そいつが私の身体から離れて行くのをきっと私は惜しむだろう。
上条「でもいいのか?本当に家まで送ってかないで」
麦野「駅まででいいわ。一人で帰れる」
上条「でも女の子の夜の一人歩きは上条さんは感心せんの事ですよ」
麦野「大丈夫。絡んで来る馬鹿いたら×××ねじり切って咥えさせてやる」
上条「〜〜〜〜〜〜」キュッ
麦野「私はたださらわれるしか能のないお姫様でも、守られるばかりのお嬢様でもないんだよ。あんたと張っても負ける気しないし」
上条「ストーカー騒ぎん時のか弱い麦野さんはどこに言ったんでせうか……つか前に俺の方が強いって言わなかったか?」
麦野「私と戦わなきゃあんたの方が強いわよ」
こいつは私より強い。私だってメンタルの上から言えば並みの女の二十人力はある。でないとこいつの女なんてやってられない。
フィジカルの面は言わずもがな。調べた事ないけどミオスタチンも人より多いんじゃないかなきっと。
ただ一つかなわないのは――罅が入っても傷がついても決して折れないこいつの人間としての強さ。
というより惚れた弱味が根っこにある以上、こいつにまともにやり合う分だけ無駄な浪費ね。気力や時間の。
麦野「――けど」
上条「どうした?」
麦野「今日はちょっとしたお姫様気分だったわ。ガラスの靴だ御伽の世界だ魔法の国だお菓子の城だ……初めてだった」
上条「18歳にして初の遊園地デビューだな!」
麦野「そう言われるとなんかムカつくんだけど」
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