過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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作者
◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/08/16(火) 21:10:37.92 ID:yfl+7YQAO
〜5〜
浜面「まだ見つからねえのか!例の女は!!」
スキルアウトb「ヒッ!?」
ドンッ!!と常より『大きな』音を立てて壁を殴りつける浜面の怒声にスキルアウトの一人が肩を竦めた。
ゴツッ、ゴツッと鉄板入りDr.マーチンのブーツがデータベースセンター内の廊下に響き渡り、歩を進める。
そう――浜面仕上は苛立っていた。半ばで脆くも崩れ去った己の作戦の脆弱性と――
たった今も『補強』している己の手足以上に思い通りにならない仲間……否、部下に対して。
浜面「まだ見つかんねえのかって聞いてんだよ!俺達に後なんてねえんだ!!早く探せ!!!」
スキルアウトb「は、はい!!」
浜面が描いた絵図は文字通り嚆矢から折れた。手製の焼夷ロケット砲は全弾命中し爆炎を噴き上げたが――
この季節外れの暴風雨によって燃え広がる前に火の手が弱まり、さらに自動消火器で消し止められてしまったのだ。
故に浜面は作戦を変更し、燻り殺す前に逃げ出した『写真の女』を直接始末するために出張って来たのだ。
不確実なロングキルより確実なショートキル。
ただでさえ写真以外の素性はあの背広の男から知らされてさえないのだ。
それこそ帽子に眼鏡といった簡単な変装で外に群がる野次馬の群れにでも逃げ込まれれば見分けがつかない。と
美鈴「きゃあっ!」
スキルアウトb「見つけたぞ!写真の女だ!!」
浜面「(――当たり、か)」
浜面が考え込み始めた矢先、数人のメンバーが集っていたドアをこじ開けると中から女の短い声が聞こえた。
対照的にメンバーの喜色に満ちた声が上がり、浜面は静かに頷いた。
浜面「……連絡入れるか。こちら中央ドーム。ターゲットをサブ演算装置保管庫で捕獲。こっちで始末すっからお前ら足の用意しろ!ずらかるぞ!!」
頷きながら無線機で他のメンバーに呼び掛ける。
自分の足元をすくおうと狙っているメンツの、そのまた足手まといな人間を使う事の難しさを浜面は痛感していた。
自分は駒場のようなカリスマ性で人を率いる事も、半蔵のような知性で人を従える事も出来ない。
故に恫喝めいた物言いでしか人を束ねられない自分を、浜面は舌打ちしたくなりなりながらも指示を出す。が
浜面「……おい?聞こえてんのか?お」
スキルアウトa『ぎゃああああああああああああああああああああー!!?』
浜面「!?」
――舌打ちが凍てついた。僅かばかり込み上げた達成感ごと
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