過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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661:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/08/28(日) 21:13:25.08 ID:ZZxx+9zAO
〜9〜

浜面「待っ……」

上条の言葉に引きつけられている間に屋根から降りて来た美鈴が麦野をおぶって嵐の夜に駆けて行くのを浜面は見た。
見たという事は、目はあらざる方向へと向いたという事。つまり――

上条「――どこ見てやがる」

浜面「……っっ!!」

上条「テメエの相手は……」

浜面「――――!!!??」

上条「この俺だろうがァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

浜面の前歯をへし折るような渾身の右ストレートと、上条の奥歯までさらう会心の左ストレートが交差する。
激突の瞬間濡れた髪から、汗の流れた額から、切れた頬から血が飛び散る。
もう互いに殴り合うスタミナすら切れかけ、タフネスを誇る身体は折れかけていた。
今の衝突で両者とも弾き飛ばされ上条は崩れかけの校舎に、浜面は雨晒しの泥土へ。

上条「ごっ……」

浜面「がっ……」

上条・浜面「「ああああああああああああああああ!!!」」

折れかける膝、笑う足、割れた拳、腫れ上がった顔、無事な場所などどこにもない。殴られていない箇所などどこにもない。

浜面「テメエと俺の何が違う!!」

浜面のハイキックが上条の手首を蹴り上げ、更に反対の足から繰り出す爪先蹴りがガードを突き破って上条の脇腹に突き刺さる。
しかし上条は息の塊を吐き出しながらもその左足を右手で掴み、左肘鉄を叩きつける!

浜面「ぐっ……!」

上条「俺はスプーンが曲げられねえ!!」

更に掴んだ足とは逆の足を踏みつけ逃がすまいとし――
三度繰り出す頭突きが浜面の胸板から心臓に重い衝撃を浴びせる。

上条「トランプの絵札を透かし見る事も出来ねえし身体検査だって毎回憂鬱だ!万年レベル0だって思い知らされてきた!!けどな!!!」

浜面「……!!」

上条「それが他人を食い物にして良い理由になんてなる訳ねえだろ!俺の学校だってレベル0のヤツはいっぱいいる!!でもな、レベル0だからって人に馬鹿にされる事はあってもレベル0を理由に人を傷つけていいなんて思ってるヤツは一人だっていねえ!!それが俺とテメエの違いだ!!」

浜面の胸倉を両手で掴み、闘牛同士が角を突き合わせるように睨み合う。
もう腕を振るう力も拳を握る力もほとんど残されていない。それは浜面も上条も同じだった。



――だがしかし――






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