過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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8:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/07/08(金) 21:09:59.31 ID:M0U/e/FAO
〜5〜

禁書目録「仲良き事は良き哉、なんだよ!ありがとうたんぱつ!」

御坂「べっ、別に?この女のために分けてあげた訳じゃないし。あれ以上騒いで私まで出禁くらうの嫌だっただけなんだから勘違いしないでよ!ほらっ」スッ

麦野「たかが葉っぱ一切れで恩着せがましいんだよ。第三位の名が泣くぞ」パシッ

御坂「泣かしときゃいいのよそんなもん。そのたかが葉っぱ一切れ奪い取ろうとするあんたより人間は出来てるつもりよ」

地下食品街を出た後、三人は待ち合わせ場所に良く使われる大樹の木陰のベンチに腰掛けていた。
硝子張りの建築物が夕陽を映して墓石のように聳え立ち、鏡張りのビルディングが茜空を写して墓石のように並び立ち……
揺蕩う雲の峰、秋風を受けて回る風力発電のプロペラを仰ぎ見ながら。

麦野「チッ……」スタスタ

御坂「?」

麦野「これでいいか……ほらっ」ポイッポイッ

御坂「うわっ!?」パシッ

禁書目録「よっと!」ガシッ

すると舌打ちと共に立ち上がった麦野が向かった先……そこはいくつか並んだ自動販売機。
その中から適当に押した缶コーヒーを取り出すと、二人に向かって下手投げに放ってみせたのだ。

御坂「……SBCモカ?」

禁書目録「こっちはラテ?」

麦野「あんたに借りなんて作りたくないし、あんただって私に貸し作るのなんてイヤでしょ?それでチャラよ」

御坂「……うん。ありがとうね、第四位」

受け取った缶コーヒーをしげしげと見やりながら御坂は毒気を抜かれたように一つ息を吐いた。
それをつまらなさそうに一瞥をくれると、麦野は麦野でナチュラルティーのボタンを押し、中身を開けた。

御坂「(エラそうなヤツ……ありがとうくらい言ったって何も減らないのに)」

麦野「熱っ」

禁書目録「うー……あったまるんだよー……これ服の中に入れたら、きっと冬でもあったかいに違いないかも!」

御坂「(アイツの前じゃ違うのかしらね……)」

自販機に寄りかかる麦野に木漏れ日の影が落ち、御坂とインデックスに木洩れ日の光が射す。
まるでそれが、三人の少女らを隔てる世界の立ち位置のように。

麦野「………………」

麦野は、それを正しく理解していた。恐らくはこの場にいる誰よりも正しく……
決して光の中に入ってなどいけない自分の位置から、二人を目映そうに見つめて。


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