過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/09/10(土) 21:15:34.06 ID:42BNj/aAO
〜12〜
禁書目録『だからとうまにはしずりに“生きろ”って言い続けて欲しいんだよ』
希望も、慈悲も、救済も、贖罪も否定し続け、他者の死はおろか自分の生すら平気でドブに捨てる。
例え腕がもげようが目を潰されようが死ぬまで苦悩し続ければ――
殺されるまで絶望を撒き散らす本物の怪物に麦野はなってしまう。故に
上条「お前は今日、初めて自分一人の足で立ったじゃねえか」
麦野「……派手に転んだけどね」
上条「転んだっていいさ」
上条は麦野の髪を撫でつつその頬に手を添える。
酷く殴られ強く蹴られ腫れた頬に色濃く残る涙の跡。
恐らくこの腫れは泣き明かした事により目蓋にも及ぶであろうと。
上条「笑ったりしねえ。馬鹿にもしねえ。憐れみもしなけりゃ愛想だって尽かさない」
麦野「………………」
上条「転んだって事は立とうとしたんだ。歩こうとしたんだよ。沈利、お前赤ちゃんが転んで泣いたからって笑うか?」
麦野「……笑わないわね」
上条「だろ?」
髪を撫で、背中をさすり、肩を叩き、身体を抱き締める。
麦野の記憶の中にないもの。富める者でありながら恵まれぬ幼年期を過ごした少女。
ならば満たされるまでそれを続けてやれば良いのだ。噛みつかれても引っ掻かれても吠えられても。
上条「だいたい、お前が色々考え込んだり悩み抜いたりすんのもわかるけどさ……答えなんてもっと早い段階で出てたんだぜ」
麦野「何が」
上条「一昨日のスクランブル交差点。お前あの小学生の女の子助けたよな?」
麦野「――ものの弾みよ。考える先に身体が動いた」
上条「……つまり、そう言う事だろ?」
麦野「〜〜〜〜〜〜」
上条「(やっとらしさが戻って来たな)」
麦野が零した涙、流した血。誰よりも死を見つめ、絶望を背負い、それでも尚立ち上がった。
それは上条の中の父性にあって、初めて我が子が立ち上がったのを目の当たりにした気持ちに似ていた。
上条「泣きすぎて喉カラカラだろ?何か飲み物買って来る」
麦野「………………」
上条「すぐ戻って来るって。そんな顔すんなよ」
麦野「さっさと行けよ」
上条「へいへい」
――数年後、この気持ちを『二人』で分かち合う未来を『二人』はまだ知らない――
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