過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/07/14(木) 21:33:55.25 ID:1DwrXIIAO
〜21〜
麦野「おらおらしっかりケツ振って歩けよお子様の中坊。ブチ込まれもしてねえのに腰抜かしてんじゃねえぞクソが」
御坂「うう……まだ頭クラクラする……身体フラフラする」
麦野「また寝やがったら路地裏のドブネズミどもの穴空きチーズに化けてもらうよ。テメエみたいなガキでもな、使える穴があって溜まってるもん吐き出せんならなんだって良いんだよ。男なんてもんはさ」
お食事会の後、麦野は御坂に肩を貸しながらセーフハウスを目指し路上を行く。
とうに最終下校時刻は過ぎ、電車もバスも出払い、出歩いているのはアンチスキルとスキルアウトくらいである。
そんな中を見目麗しい女二人で歩いているのだ誘いを振り撒いているようなものだが――
学園都市第三位、第四位を前にすればレイプツリーより先にキリングフィールドが出来上がる事請け合いである。
御坂「麦野さん言葉使い汚いよう……女の子はそんな下品な事言わないのお……」
麦野「家の育ちは良いんだが、親の育て方と私の育ち方が悪かったもんでねえ?品なんてもん母親の子宮に置いて来たわ」
御坂「子宮なんて……いやらしいー!!」
麦野「(あーあ……当麻と二人っきりになれなかったなあ)」
とんだ厄介者を背負わされる羽目になった、と麦野は酒精の残滓を引きずる甘い吐息と共に歎息した。
口の中のメロン&バニラミントのガムを噛みながら、火照る頬に吹き抜けて行く夜風が心地良い。
どうせなら御坂と言わず上条と月光浴と洒落込みたい所だったが……
??「うっ、ううーん……」
麦野「……女?」
あいにくと月夜が照らし出したのは、金属製の郵便ポストに熱烈な抱擁の半ばで敢え無く石畳に転がる女であった。
それも無機物に対する求愛なのか髭の濃い伴侶にそうするようにスリスリと頬擦りしていた。
一見すると大学生のように麦野には見て取れた。白のシャツに黒のスラックスとシンプルな出で立ちだが――
それなりに金のかかっているバッグを投げ出し、微睡んで見えるその姿に麦野は奇妙なデジャヴを覚える。
麦野「(……ロシブ、スケール、Az、エルモ……香水はゼロプラ……わかんねえよ。飲んでる私でもわかるくらい酒臭いぞこの女……)」
最初は靴と時計から目が行ってしまったが、そのだらしない寝顔に麦野が覚えた既視感……それは
御坂「お母さん……?」
麦野「!?」
最悪の形で的中した。
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