過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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933:作者 ◆K.en6VW1nc[saga]
2011/09/25(日) 15:55:04.62 ID:LC5MmfkAO
〜32〜

前に当麻と入ったアクセサリーショップで見たシルバーのウロボロスを思い出す。
二匹の蛇が互いの尾を永遠に喰らい合うループの象徴。
きっと私はこれからも廻り続ける。巡り巡ってたった今振り出しに戻ったように。

麦野「……少し、疲れた」

上条「ああ」

振り出しの場所から仰ぎ見る天使の梯子。私が座っていた椅子より高い脚。
オバサン、あんたの言う通りだね。認めたくないけどその通りだわ。

美鈴『――貴女、自分が死ねばそれで終わるだなんて本当に思ってる?馬鹿ね。死ぬだけなら今も誰かが交通事故にあってるかも知れないし、美琴ちゃんが80歳過ぎたら老衰で死ぬかも知れない。私の言ってる事わかるわね?――死ぬだけなら、誰にだって出来るのよ』

あの時私がアイツを殺しても殺されてもきっと何も変わらなかった。

美鈴『――自分を投げ捨てて責任を取ろうなんて綺麗な生き方は大人の世界じゃ通用しないわ。責任を取るという道はね、もっと泥臭くて、しんどくて、嫌な事ばかりで、誰にも誉めてもらえなくて、自分で誇る事も許されない事なのよ、沈利ちゃん』

当麻が私を受け止めてくれなかったら、オバサンが私を背負ってくれなかったら、アイテムが私を支えてくれなかったら――

麦野「……もう、倒れてもいい?」

上条「俺達が受け止めてやる。安心しろ」

麦野「……少し、休んでもいい?」

禁書目録「いいんだよ。もういいんだよ」

露出狂女や赤毛野郎と戦っていなかったら、御坂やインデックスと闘っていなかったら――
あいつらの技だの力だのを取り込んで引き出せなきゃあの腐れホスト野郎にかなわなかった。

麦野「……じゃあインデックス。一日一回シャケ弁届けに来て。ここの病院食のシャケ、マズいんだよね」

禁書目録「了解なんだよ!」

麦野「……当麻、色々背負い込んだけど、これからもよろしく」

上条「――こっちこそな!」

当麻の事、御坂の事、アイテムの事も含めた現実との折り合い。
私がくたばったって世界は変わらない。けれどこの壊す事と殺す事しか出来ない私だけの原子崩し(チカラ)で変えられる現実を私は見つけた。

麦野「――後、頼んだよ」

アイテムって言う始まりの場所と、当麻達って言う私の帰る場所で――




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