過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/09/25(日) 15:55:37.83 ID:LC5MmfkAO
〜33〜
上条「――任せろ」
その言葉を最後に、麦野は力尽きたように気絶した。
それは負った外傷や出血やダメージ以上に、張り詰め続けた精神の糸が切れたような崩れ落ち方であった。
禁書目録「しずり!」
上条「大丈夫だ、インデックス」
慌てて支えようとして巻き込まれそうになる麦野を上条が引き取る形で抱き寄せる。
右手首に刺された点滴のチューブを引き抜き、その痛みに一瞬顔をしかめるも……
上条は力尽きた麦野をしっかりとお姫様だっこで受け持った。身動ぎ一つせずに
禁書目録「しずり……」
上条「休ませてやろう。こいつも限界だったんだ」
禁書目録「――うん!」
弦の切れた弓はもはや矢を放つ事はない。この一週間の間……否、数ヶ月から数年分の精神的疲労が頂点に達したのだろう。
己の罪業を受け入れ、過去と向き合い、仲間を救出し、巡り巡った荊棘の轍の果てに辿り着いた帰るべき居場所。
そこで迎え入れてくれたインデックスと信じて待っていただろう上条に抱かれ安堵したのだ。
上条「こんなんなるまでムチャしやがって……これじゃ説教も出来ねえじゃねえか」
禁書目録「とうまが言っても説得力がないんだよ!」
上条「い、痛い所を……」
禁書目録「しずり、本当にとうまの悪いところが似て来たんだよ。夫婦は顔が似てくるってテレビで言ってた通りかも!」
抱えられた麦野を覗き込みながらインデックスが薄く微笑む。
恐らくはここまで来て尚『生きたい』という意識は限りなく絶無に近いであろう麦野。
己を許す事も神に赦される事も望まないであろう少女。
しかし彼女は帰って来たのだ。己のいる世界と人間に折り合いをつける事で
上条「出来るなら顔が似てくるまで一緒にいたいもんだけどな〜〜……よっこらせ!」
禁書目録「え?」
上条「何でもありませんの事ですよ」
インデックスを伴い麦野を抱えたまま上条は緊急搬入口より病院の外に広がる秋空を見返す。
どこまでも澄み渡りどこまでも晴れ渡る空。数日前の暴風雨が信じられないほどの秋晴れの中――
上条「……雨、上がったな」
禁書目録「えっ?雨はこの前なんだよ?」
上条「いや、こっちの話」
少女は深い眠りにつく。広げた翼を止まり木で休ませるように――
上条「――もう、傘はいらねえな?」
それを見守る者達の笑みに看取られて――
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