過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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作者
◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/09/25(日) 16:28:44.37 ID:LC5MmfkAO
〜54〜
上条「大丈夫か沈利!?」
麦野「平気。鍛え方が違うわ」
禁書目録「た、高いんだよ!」
そして麦野は原子崩しの翼を広げて夜空を舞い、追っ手を振り切って削板らが待つ会場へと向かう。
上条が左腕で肩を組むようにし、インデックスが胸元にしがみついて来る。
満天の星々が掴み取れ、満月に吸い込まれそうなほど高く高く――
上条「――まるで、地上の星みたいだな」
見下ろす下界の夜景はさながら逆転した天地が織り成すもう一つの銀河を思わせるほど皓々と輝いていた。
学園都市。230万人の人々が住まう街。上条が渡り、麦野が育ち、インデックスが流れて来た……
一人ぼっちだった少女らが二人として出会い三人として暮らす居場所(いえ)である。
麦野「230万の灯りね」
禁書目録「私達のお家も、この中に含まれてるんだよね?」
上条「ああそうさ。変われば変わるもんだよな」
麦野「?」
上条「見る角度がほんの少し違うだけで、普段何気なく暮らしてる俺達の街ってこんなに綺麗だったのか……ってさ」
禁書目録「とうまが似合わない事言ってるんだよ!」
麦野「あーサムいサムい」
上条「んなっ!?」
星。それは天上にあって瞬く希望の象徴。しかし星は空のみ存在するに非ず。
星はそれを見上げる者に対して輝きを変えるのだ。
その形は時に死した眠りについた者の魂となり、その輝きは時に生きて迷う者の標となる。
麦野「冗談よ冗談……それじゃあ、集合場所の河原まで飛ばすとするか」
上条「ああ……行こうぜ」
禁書目録「お鍋ごと行っちゃうんだよ!」
上条・麦野「「それはよせ」」
三人は行く。過ぎ去りし日の真夏の大三角のように夜空を駆け高く舞い上がる。
彦星を意味するアルタイルが上条ならば、織姫を意味するベガは麦野、白鳥を意味するデネブはインデックスと言ったように――
麦野「さてと……飛ばすとするかにゃーん!!」
上条「振り落とされんなよ、インデックス!!」
禁書目録「お鍋食べるまで死ねないんだよ!!」
麦野沈利は知る。己を取り巻く世界も人間も実は一年前から何も変わってなどいないという事を。
色褪せた街並みが空から見渡せば何物にも代え難い地上の星に見えるように、ただ麦野自身が物の見方を変えただけなのだ。
一人きりで弱く淡く儚く輝く星さえも、連なる事で星座を描くように。
集えば夜の闇さえ照らす事の出来る星の河のように――
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