過去ログ - 番外・とある星座の偽善使い(フォックスワード)
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◆K.en6VW1nc
[saga]
2011/09/25(日) 16:33:58.26 ID:LC5MmfkAO
〜57〜
麦野「どこ行く?」
上条「う〜ん……オズマランドは前行ったしなあ」
麦野「……昔みたいにこんな時間から回るベッドの遊園地とか考えてないかにゃーん?」
上条「ぶっ!?」
麦野「インデックスが来る前まではだいたいそんな感じだったでしょ?私達」
上条「……若かったもんなあお互い」
麦野「まだ一年しか経ってないでしょ」
上条「もう一年経ったんだな……」
上条は麦野は手を繋ぎながら繁華街を行く。次第に冷え込みを増しつつある学園都市。三人で迎える二度目の冬。
変わり行く街並みと人々の営み。されど人混みの中を連れ立って歩く二人だけが変わらない。
麦野「……まさか続くと思わなかったよ。この私に男が出来るだなんてさ。それも一年続くだなんて」
上条「そうか?確かに上条さんもこんな可愛い彼女が出来るだなんて思ってなかったけどな」
麦野「私もよ。ガチガチの石みたいだったこの私がよくもまあこれだけ転がされて、磨かれて、丸くなったもんだ」
クスクスと含み笑いを浮かべながら語る麦野の横顔に差し掛かる初冬の陽射し。
光の中映える栗色の髪がビル風を受けて靡き、上条の鼻腔をくすぐる。
麦野「――ねえ?今でも私の事好き?」
上条「当たり前だろ。一年前から何も変わらねえよ。お前の事が一番好きだ」
麦野「へえ……残念ね?私の好きは一年前に終わっちゃった」
上条「!?」
その言葉にブリザードにさらされた薔薇の花のように凍てつきムンクの『叫び』のように顔を歪める上条。
その横顔を満足げに見やると――麦野は耳打ちするように唇を寄せ――
チュッ……
上条「うっ……」
麦野「――今は“好き”じゃなくて“愛してる”かにゃーん?」
不意打ちのキス。すり減る所が無くなるまで転がり落ちて磨き抜かれた石。
それは麦野の中に宿った星より目映いダイヤモンドの結晶。
何者にも征服せざる女王の胸に宿る、無形のネックレス。
麦野「じゃ、行く?」
上条「お、おう!」
『永遠』は石などに宿りはしない。宿るとすればそれは――
幾多の研磨と数多の練磨の果てに辿り着く、各々の胸に瞬く星が如くダイヤモンドの心の中に――
これより訪れる、運命の時間に砕かれぬように――
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