112:1 ◆BycwRokz6k[sage]
2011/11/21(月) 01:29:09.64 ID:49jKwMrN0
「めんま!お前・・・っなんでだよ!ゆきあつの言いなりになんなくたっていいだろうが!!めんま!」
「・・・ありがとう、じんたん」
「・・・・・・っありがとうじゃねーよ!!」
「大丈夫だよ、じんたん。・・・大丈夫」
「大丈夫そうな顔かよそれが!」
宿海とめんまの会話を聞きながら、俺の頭に、こんな無理なことをすれば、めんまに嫌われてしまうんじゃないかとの不安がよぎった。
現に、めんまの瞳はまだ潤んでいたし、俺に向ける目つきも、少なくとも好意的なものではない。
…けれど、めんまは俺に、怯えているわけではない。
ほっとして、そのまま歩を進めた。
もうあと一歩で秘密基地を出る、その寸前。
「めんまっ!!!」
まだ諦めない宿海の叫びが、めんまの動きを瞬間、止めた。
ああ。
うるさい。
「めんま、聞くなよ」
ぴくり。
腕から伝わる、めんまの動き。わかりやすいくらいにめんまは動揺している。
・・・・・・・・どうしたんだろう。今日の俺は、驚くほど素直だ。
いつもならつかえてしまって言えない言葉が、こんなに簡単に出てくる。
めんま、俺はもう無理なんてしない。
やっと会えたんだ。
ずっと会いたかったんだ。
「聞かなくて、いいんだ」
めんま、もうお前は。
「そうだろ」
もう、俺のものだ。きっと。
――めんま、わかんないよ。
・・・・・・めんまの呟きが、ポツリと秘密基地に取り残される。それは俺の耳にもしばらく留まって、けれど消えた。
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