128:1 ◆BycwRokz6k
2012/02/13(月) 00:40:35.94 ID:JW7FGhsL0
>>126
ありがとう!
+ + +
秘密基地の山道を。
コンビニが近くに見える横断歩道を。
川の見える歩道橋を。
ゆきあつに手を引かれて、通り過ぎた。
前にも、こんな風に帰ったことがあった。
あれは、めんまが秘密基地にいきたいな、っていって、連れて行ってもらって、偶然ぽっぽと会ったとき。
やっぱりゆきあつは、あのときも怒っていた。
でもあのときは、途中でじんたんと会ったんだっけ・・・。
ゆきあつの部屋に入ると、ドン!と扉が閉められたから、怖くてうつむいてしまった。
「めんま」
・・・やっぱり、怒ってる。
めんま、どうすればいいんだろう。
肩にゆきあつの手が置かれたとき、ゆきあつの手が、震えていた。
ゆきあつは、心細いのかもしれない。
そっと見上げたそこにあった、ゆきあつの、もう、今にも泣いちゃいそうな、すがるような目つきを、今でも覚えている。
ゆきあつは・・・
ミーンミーン・・・
「!」
ぱっと目を覚ますと、そこはゆきあつの部屋だった。
せみが、鳴いてる。そのせみの声が、だんだんと夢と今とをはなしていく。
そっか。夢だったんだ。
幽霊も夢なんか見るんだ。じんたんのお母さん、知ってた?めんまは幽霊になって、たぶんはじめてみたかも。夢なんて。
「おはよう、めんま」
「おはよう、ゆきあつ」
「今日は遅かったな、もう9時だぞ」
泣きそうなゆきあつ。
悲しそうなゆきあつ。
夢の中のゆきあつと、目の前にいるゆきあつが重なっている。
「めんま?」
はっ。
ぼーっとしてしまっていた。
目の前のゆきあつは、不思議そうな顔をしている。
「・・・今日は眠かったみたい」
「そうか。夜更かしはあんまりしないほうがいいぞ」
「うん」
あの日の夢だった。
+ + +
どうろ。
ポスト。
公園。
駅。
秘密基地。
(・・・超平和バスターズ)
町はなんだか、どこもかしこも懐かしい。
でも、めんまが知ってる町とは全部一緒なわけじゃなくて、不思議な感じ。
たとえば、あのコンビニの近くの横断歩道の白い部分なんて、めんまのいたころははげはげだったのに、今じゃきれいに真っ白になってる。ふみがいがありそう!
あと、公園と家の間に立ってるおっきな木も、切られちゃったのか、切りかぶみたいになってる。
あそこの塾もなくなって、よくわからない張り紙がいっぱい張ってある。
めんまのいない間に、新しくなっているんだ。
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