133:1 ◆BycwRokz6k
2012/03/09(金) 21:31:52.01 ID:pZ/tH/qm0
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「・・・わあ」
道のりは、ちゃんと覚えていた。
どこにでもあるようなおうちだけど、ちゃんと『本間』の表札がかかげられている。
とても懐かしい懐かしい、めんまのおうち。
目の前に立つそれに、めんまは、ちょっとだけ目を奪われていた。
「・・・めんまの、おうちだあ」
・・・なんだろ。
玄関のところ、こんなにせまかったっけ。ドアも、このところの壁も、こんなに低かったっけ・・・?
「わ、・・・あれえ?」
ぽろり。
ほっぺに水。
なみだ。
「こんなことで泣いてちゃ・・・だめ」
涙をぐいっと乱暴にぬぐって、めんまはおうちを見据えた。
「めんま、ファイトお!」
ちっちゃくガッツポーズ。
「おじゃましまあーす・・・」
ただいまのがよかったかなあ?っていっても、どうせめんまの声は誰にも聞こえないんだけどね!
静かに静かにドアを閉める。
玄関のところに、靴はひとつしかおいてない。きっとママの。
さーくんは、部活かな?じんたんが高校生ってことは、もう中学生だもんね。
パパは、まだお仕事かな?今日は月曜日だもんね、めんまたちがお休みでも、パパたちはお仕事忙しいんだもんね。
静かに静かに廊下を渡る。
床の感触も、壁の色も、
匂いも、
なつかしい。
リビングへの扉は開いてたから、やっぱり静かに入ると、白い髪が目に入った。
「・・・ママ?」
ママだ。
肌が白くて、目が青くて、やさしいママ。
ちょっとだけ、年取っちゃったかな。
でも・・・。
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