152:1 ◆BycwRokz6k
2012/05/20(日) 13:20:00.47 ID:lcTctKP20
毎度毎度亀更新でほんとうすまない
>>137>>140>>144>>146>>150>>151
みんなありがとう!
「はーい」
数秒立って、ガチャリ、とドアから音がする。
ぎゅっと拳を握り、仁王立ちで構えていると、ドアの影から銀髪が見えた。
「どちらさまで・・・」
そこまで言いかけて、ふと顔を上げた銀髪の女性。
授業参観くらいでしか見かけたこと無いけど、なんとなく覚えてる。めんまのお母さんだ。いや、そりゃそうか。めんまの家から出て来るんだもんな。
「・・・・・」
ぱちりと、めんまと同じ色をした、青い瞳と目が合うと、めんまのお母さんは静かに瞬きを繰り返す。
何かを必死に思い出そうとしている様子だ。
「あ・・・、あの」
沈黙に耐え切れず俺が声を出すと、同時にめんまのお母さんは口元に手を当てて、俺の名前をつぶやいた。
「仁太くん・・・?」
「あ、はい・・・。あの、お久しぶりです」
なんとなく照れくさい。
軽くお辞儀をする。
「まあ・・・!昔はよく遊びに来てくれたわよね!久しぶり」
ドアノブを握ったまま、目を大きくしためんまのお母さん。どうやら、なかなか好感触のようだ。
ずっと参ってなかったから、もしかすると受け入れてくれないかも、とも思ったが・・・。
めんまのお母さんは、俺が覚えている限りは――、美人で、物腰が柔らかで、落ち着いていて、いつもにこやかな笑顔を浮かべた上品そうな人だ。そんなお母さんにめんまは似ても似つかない・・・。容姿は似たようだが。
そして次に、めんまのお母さんはぽっぽの方を見上げて、少し自信なさげに言う。
「それで、・・・もしかすると・・・久川・・・鉄道くんかしら?」
「はい、そうっす!」
「やっぱり。大きくなったのねえ」
「ははは、みーんな追い抜いてやったっすよ!」
「ふふふ」
くすくす笑う。ぽっぽ誘って良かったよ・・・
次第にめんまのお母さんの表情は静かに平常に戻った。そして。
「・・・・・・今日は、もしかして・・・芽衣子の?」
少し言い辛そうにして、こう言った。
・・・うお、緊張する。
ジーンズの生地を握って、なるべくはっきり聞こえるように、目的を伝える。
「は、いっ・・・そうです、今日は、そのつもりで・・・いきなり申し訳ないんですけど、お参り、させていただこうと思いまして・・・」
(あー、どもった)
ちょい失敗したが、めんまのお母さんはそれを聞くと、少し俯いて声を震わせる。
「ありがとう・・・。芽衣子も喜ぶわ」
そしてようやくドアノブから手を離し、俺らを家に招き入れてくれたのだ。
「どうぞ、入って頂戴。」
「おじゃまします・・・」
「お邪魔しまっす!」
フローリングの廊下。
ものめずらしそうにぽっぽは家の中を観察していた。かくいう俺もそうなのだが。
めんまの家には、入ったことが無い・・・と思う。玄関くらいは見たことあるけど。
(まさかこんな形で入ることになるなんてな)
確かめんまんちのお父さんが凄く厳しくて、家にあがらせてもらえなかったんだ。家の前で遊んでいただけで、ボール取り上げられたりしたこともあったっけ?そしたら、めんまがごめんねって泣いて・・・、めんまのせいじゃないのに。次の日になって、お父さんに頼んだみたいで、ボール返しに来たんだ。また、ごめんねっていいながら。あいつ、ほんと、泣き虫で・・・。
(うわ・・・なんでこんなこと思い出すんだよ)
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