153:1 ◆BycwRokz6k
2012/05/28(月) 19:06:52.53 ID:CYxjJCSI0
最終目的は、日記帳もらうことだろが!
「じんたん・・・?」
(・・・くそっ)
どうにも悲しい。
リビングに入り、畳の部屋を見かけた瞬間、俺はとっさにそこから目を背けてしまった。
「大丈夫・・・?」
「・・・どうぞ、ここです」
いやにめんまとめんまのお母さんとの声が重なった。
めんまのお母さんを見ないわけにも行かず、声がしたほうに目を向ければ、ピースをするめんまの写真が目に入った。
「・・・喜ぶわ、本当に」
「・・・いえ、そんな」
「じゃあ・・・」
正座をしようと床に着いた膝に、服越しだというのにも関わらず、畳はひやりと冷たかった。
チーン・・・・・・。
からっからに乾いた暑い夏の温度が、細く響く金属音を境に、いっきに冷えた気がした。
小さな残響の奥からあらわれた沈黙が導くのは、静かな祈りの時間だ。
俺は・・・目を瞑る。それは多分、ぽっぽやめんまのお母さんが目を閉じるのとは違う気持ちで。
俺は逃げたかったのだ。遺影から。
家に入ったときからずっと思っていた。
この、静かな家や、めんまのお母さんや、・・・遺影を、見ると。
教えられてしまうのだ。めんまが、もう本当にいないっていうこと。
(まだそんなにめんまといないはずなのに)
そう。俺はまだ、この幽霊のめんまに会った回数も少なく、会った時間もゆきあつに比べりゃものすごく短い。
けれど会って、話せる存在となった今、胸を裂くようなこの悲しさは拭えない。だってめんまは、俺の目の前で泣くのに。笑うのに。
同時に、あふれ出てくる昔の記憶と罪悪感。
ずっと俺、めんまに謝りたいって思ってたのに。
(情けねえよ)
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