50:1 ◆BycwRokz6k[sage]
2011/07/19(火) 15:19:19.40 ID:aJWdzYz00
「みんなは知ってんのかよ、お前がめんま見えるってこと」
「・・・」
都合の悪い質問だ。
ここで肯定すればひとまず落ち着くが、後々の修正が大変になる。
かといって否定するとめんまにいったことが嘘だとばれてしまう。
ああ、いっそ無視してしまおう。
質問を振り切って帰ればいいんだ。
「全員にあったのか、・・・あの、昔のみんなと」
「・・・」
ちらりと横目でめんまをみると、めんまは俯いて震えていた。
「・・・おい!」
答えない。
このまま帰れば、宿海もそれほどしつこく聞いてこないだろう。
この話はこれで終わりだ。
全く、最近はやけに懐かしい連中と顔をあわせるからこまる。しばらくここいらに出ないようにしようか・・・
「・・・っおい、聞け「もーっ!!!」
そのとき、宿海の声を遮ったのはめんまだった。
「「!?」」
俺と宿海が驚いてめんまを見たところ、めんまはきっと俺らを睨んで、まず俺に言った。
「ゆきあつのばか!どうしてじんたんのこと無視するの!!」
「・・・め、めんま・・・?」
「なんで怒ってるの!ゆきあつなんて、ばかばかあほ!」
ぽかぽかと細い腕で俺に殴りかかるめんま。
逆らおうにも逆らえずにいると、ひとしきり殴って満足したのか、(正直ダメージはあまりない)今度は宿海を睨み、そして宿海に向かって走る。
「な・・!?」
どかーん。
タックルだ。
タックルをした。めんまが。宿海に。
いやしかし、めんまは細身だ。宿海にも同じくダメージはないだろうが、運悪く頭を打ったらしくもだえていた。
頭を抱えて倒れる宿海の上にのしかかり、めんまは叫ぶ。
「じんたん!けんかしないでっ!!」
「・・・ってー!なんなんだよお前はー!」
「なんでもないもん、めんまだもん!」
「なんでタックルするんだよ!いてーだろ!」
「じんたんが聞かないからだー!」
・・・ああ・・・。
どうしてだろう。
こんな光景が、無性に懐かしいと共に、にくい。
昔も今も、めんまにとって宿海は大切で、そして俺にとっては昔も今も、宿海が邪魔な存在なのだ。
あの頃の俺は、こんな風に仲良くじゃれあう2人を遠くから見ていた。
・・・こんな気持ちで。
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