73:1 ◆BycwRokz6k[sage]
2011/08/21(日) 16:16:14.07 ID:fQRLQN3p0
不定期ですまん・・・いつなのかは分からないんだ、すまねえ!
「・・・・・・やっぱ・・・何でもない。」
安城が視線を斜め下の、宿海のお茶に向ける。
・・・ハッキリしないな。
「・・・今日、何すんの?」
不機嫌を隠しきれていない安城。
それを気にしない久川が、じっと考えた。
「そーだな・・。やっぱ虫取りとか」
「はあ!?む、虫取りって・・・」
「今夏だし!」
「・・・他には?」
「あとはー、バトミントンだろ、鬼ごっこだろ、あとバーベキューもして・・・んでメインはめんまが言ったすいかわりだな!」
「鬼ごっこ!?わーい!」
めんまは嬉しそうに身を乗り出す。
「鬼ごっこ・・・」
「なんだよつるこ、不満なのか!?」
「別に・・・。懐かしいな、と思っただけよ。・・・靴できてよかったわ」
「よし、じゃあ食い終わったしやるかー!まずは虫取りからっ!レッツ ゲット グラスホッパー!」
「色々間違ってるわね」
「バッタ取るの・・・?」
冷静にぽっぽに指摘をする女子2人。
そしてぽっぽを先頭にして、昔よく虫とりをした場所へ向かった。
昔は少し時間がかかったものなのに、成長した俺らの足ならば本当にあっという間についてしまう。
「おー・・・」
「懐かしいな」
「・・・ねー・・・」
しばしの間、足を踏み入れることなく、俺たちはこの景色の懐かしさにふけった。
広がる地面。茂る木々。五月蝿い虫の鳴き声。背景の青い空。
・・・懐かしい。
俺たちは、虫をとろうと思うならいつだってここに来た。
俺たちの虫取り場所は、ここだった。
皆して虫取り網を振り回して、誰が一番大きい虫を取れるかとよく競ったものだった。
その競争で宿海はいつも一番大きいのを捕まえていたし、久川は宿海や安城の近くで大きそうな獲物を探していた。安城は何だかんだで一生懸命捕まえようとしていたような気もする。でも、ふざけてまわるぽっぽを叱ったり、宿海の捕まえた虫を褒めたりもしていた。鶴見はスケッチブックを両手にして、あまり参加していなかったような記憶がある。めんまは宿海の捕まえる様を見ていたり、ぽっぽと虫を探したり、安城と一緒に捕まえたり、俺に応援の声をかけてくれたり、鶴見の絵を褒めていたりと日によって違っていた。が、俺の記憶が正しければ、そんな中でも宿海の近くにいるのが一番多かったと思う。
俺は・・・・・、宿海に勝ちたくて、めんまに凄いといってもらいたくて・・・汗を拭いながら真剣に虫を探して、一心不乱に網を振り回していたような気がする。
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