146:LX[saga sage]
2011/08/21(日) 20:29:04.79 ID:GQKYPvTx0
さて、その少し前のこと。
「あ、あの上条委員?」
「何、どしたの美子?」
ここは、学園都市統括理事会の中の一つ、広報委員会がある第一学区の合同庁舎の1つ。
上条美琴の執務室に少し強張った顔のミサカが入ってきた。
彼女は、御坂美子(みさか よしこ)、元検体番号10039号である。
彼女は病院勤めをしている検体番号10032号こと御坂麻美(みさか あさみ)とは異なり、オリジナルである上条美琴の秘書役を
務めているのであった。
「あの、個人的なことに属することなので、上条委員ことお姉様<オリジナル>にお聞きして良いことかどうか、
ミサカは少々危惧しつつ、やっぱり訊いた方がよいかと思案を巡らせています……」
起案電子書類のハードコピーをしかめ面で推敲していた美琴は、美子の物言いに(な〜に?)という顔で視線を彼女の顔に移した。
「………」
しばらく彼女を見ていた美琴は「ふっ」と一息ついたあと、
「美子、ちょっとそのドア閉めてくれる?」と彼女に命じた。
美子がドアを閉めると、美琴は「こっちこっち」という感じで彼女を手招きした。
「やはり、止めておきます、とミサカは」
と言いかける美子を遮るように、美琴は彼女に向かって言う。
「あんた、美子じゃないでしょう? 誰よ? 怒らないから正体明かしなさい? 何号なの?」
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