147:LX[saga sage]
2011/08/21(日) 20:34:42.73 ID:GQKYPvTx0
無表情のまま、御坂美子(みさか よしこ)は黙って立っている。
「バレてるんだから、さっさと言いなさい? なんで入れ替わってるワケ?」
ニヤニヤしながら美琴は美子に追い打ちを掛ける。
「い、いえ、このミサカは間違いなく10039号のミサカヨシコですが、どうしたのですか?」
心なしか少し焦ったように美子が答える。
「ふーん、……なら美子、どうして渡しておいたアレ、今日はつけてないのかな? おかしいわよ?
それにあんた、なんかちょっと汗かいてるようだけど、どこか具合でもが悪いんじゃないの?」
頬杖をついて、笑いをかみ殺しながら美琴が美子を責める。
「いえ、体調には問題はありません。それから、あ、あの、申し訳ありません、お姉様<オリジナル>。
今日はつけてくるのを忘れました。宜しければ、一旦戻ってつけて参ります」
そう言って、美子は部屋を出て行こうとするが、
「あらそう? いいわ、あんた忙しいんだから、ここにいて頂戴。琴子呼ぶから、どこに置いてるのか教えてあげて?
取りに行ってもらうからさw」
どうだ、はやく降参しなよ? という目で美子を見ながら、美琴は机の上のトークボタンを押した。
「は、はい、琴子です」
心なしか、少しうわずった調子で御坂琴子(元検体番号19090号)が応答してきた。
「琴子? どうせネットワークでコイツと打ち合わせしてるんでしょうけど、ちょっと来てくれるかな?」
「すみません、お姉様<オリジナル>、降参します。
今日、10039号はショッピングに行きたいというので、臨時にわたしがこちらに入りました、と理由を説明します」
頭を垂れて、御坂美子……ではない他のミサカがしゃべり始めた。
「上条委員、事実です。特に深い理由はありません」
ドアを開けて入ってきたもう一人のミサカがそれに合わせた。
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