149:LX[saga sage]
2011/08/21(日) 20:46:45.06 ID:GQKYPvTx0
「ちょっと待った! あんた、今なんて言った? あんた、正式にここへ入って来たんじゃないわけ?」
美琴がスネークの発言に突っ込む。
「とんでもありません、お姉様<オリジナル>。 もちろん入国管理事務所を正しく通過してきております」
心外な、という顔でスネークは美琴を見返す。
「あ、そ。なら良いわ……えーと、それで、アンタ、さっき入ってきた時に、なんだっけ、あたしに訊きたいことがあるとか、
なんか言ってなかった? 早く言いなさいよ。あたし、次の打ち合わせが控えてるんだからさ」
美琴はホログラムクロックの表示を見て少し急いだように言葉を返す。
スケジュールアラートが既に赤く表示されているのだ。あと3分ほどでここを出なくてはならない。
「はい。それでは話を始めます」
スネークこと検体番号17600号は、側に立つ御坂琴子(検体番号19090号)と目配せをした後で、話を切り出した。
「お姉様<オリジナル>は、検体番号10032号を御存知ですね?」
一瞬美琴の顔にかすかに緊張が走るが、そこは手慣れたもので、美琴は普通の声で「もちろん、知ってるわよ」と返した。
(お姉様<オリジナル>の生体電流に乱れがありました、とミサカ19090号は17600号に報告します)
(こちらスネーク。こちらでも感知した。これより核心をつく。警戒せよ)
(ミサカ19090号、了解)
瞬時にミサカネットワークに二人の会話が投下される。
圧倒的多数の妹達<シスターズ>は、固唾をのんで次の質問を待つ。
「10032号は、ここ10年ほどの長期間にわたって、私たちミサカネットワークから外れていることもお姉様<オリジナル>は
御存知でしょうか?」
(えー、そっちかよー)
(なんではぐらかすかね)
(いやいや、搦め手からの質問か、良いぞ)
とたくさんのつぶやきがネットワークを駆けめぐる。
「だいぶ前にそれは聞いてるわ。でも、あの子、病院にいるじゃない? いないなら問題だけど、行けばいるんだからまだましでしょ?
他にも接続してこない幽霊さんがいるって話、聞いてるわよ?」
美琴はビジネスバックに書類を放り込みながら返事を返す。
「実は先ほど、お姉様<オリジナル>もよく御存知の、10032号と13577号が勤務する『あの病院』で、
10032号の子供と思われる男の子に13577号が遭遇しました」
「何ですって!?」
美琴が叫んだ。
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