過去ログ - 新・学園都市第二世代物語
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210:LX[saga sage]
2011/09/10(土) 20:22:13.66 ID:h6rBEIOY0

当麻は申し訳なさそうに彼女に答える。

「ご、ごめんな、美雪。あんときはものすごい数だったんで、名前つけるのに精一杯で一人一人まで覚えていないんだ。

気を悪くしたのなら謝る。……けどさ、お前、黒髪なんだけれど、あの時に本当にいたか? 黒髪だったら覚えてそうなもんなんだが」

すると美雪こと検体番号12500号は(そっか、失敗したな)という顔になって

「いえ、あの時はまだ、地毛の栗色でした。今はお役所みたいなところに勤めていますので、髪も黒く地味でないと」 と答えた。



*余談であるが、この後、学園都市を含む日本にいる妹達<シスターズ>の間では髪を黒く染めるのがブームになった。

理由はなんのことはない、当麻が言った「黒髪だったら覚えている」としゃべった一言である。

逆に目端の利く数人は逆を狙って金髪やプラチナブロンドにした。

結果は、黒髪が周り全体に埋没してしまったのに対し、こちらは狙い通りかなり人目をひくことになった。

とはいえ、彼ら自身と肝心の当麻とが会うチャンスが残念ながら殆ど無かった事と、30歳を過ぎた日本人であるミサカたちに

金髪やブロンドの髪はあまりマッチしたものではなかったことで、その努力はあまり報われなかったのであった。



「あ、上条さん、こんにちは、ミサカは、あい、さつを」 はぁはぁ言いながら入ってきたのは検体番号13577号の御坂琴江だった。

その後から「10039号、あなたはずいぶんと馴れ馴れしく接していますのね?」と、さっきの本物の美子(検体番号10039号)の如く

とがめるような声と共にもう一人のミサカが現れた。

「何よ、15214号? お姉様<オリジナル>の監視なしでお話出来ることなんか、そう滅多にないんだからいいじゃないさ」

と、これまた先ほどのブリッ子が台無しだろうと思わせるほどの豹変を見せる美子。

「何を言っているのですか10039号? 圧倒的大多数のミサカは直接会ったことすらないのですよ? 

お姉様<オリジナル>の監視付きであろうが、直接お会いできてお話まで出来る、そんな幸運の下にいることを忘れてはなりません」

そう言うと、15214号と呼ばれたミサカは当麻の方を向き、

「このミサカは初めてお目にかかります、15214号のミサカです。ヨーロッパ派遣組の代表として来ております。

ドイツにずっとおりましたので、お名前を頂けておりません。出来れば学園都市にいる間にお名前を頂けると嬉しいのですが」



*ちょっと待て、誰が代表ですって? そんな話聞いてない、という声がMNWに流れるがそれは作者都合で省略します



「すまん。その話はあとにしてくれないか? 先に重要な話をすませたいんだよ」

と当麻は軽く頭を下げて彼女に詫びた。

(えーと、これで6人揃ったんだな?)

当麻は6人に妹達<シスターズ>の顔を確認して

「ちょっとみんな、会議室に入らないか? ここでは迷惑になりそうだ」  と場所を変えることを提案した。



「ええ」「そうしましょう」「はーい」「わかりました」「はい」「Ya!」



(昔だったら全員が一斉に同じ答えを返しただろうな……)

個性が出ていることにちょっと当麻は嬉しく思うのだった。



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