217:LX[saga sage]
2011/09/11(日) 21:32:22.56 ID:F6AYXBz00
<『 あなた!!!』ない……>
突然MNWに一人の声が流れた。正確には二人なのだが、あとの声の大きさ・強さにかき消されてしまったのだ。
静まりかえっていたMNWに波紋が広がる。
<誰?>
<10032号?>
<あれ? 二人じゃない?>
<あなた、ちゃんと繋がってたのね>
<良かった、生きてたんだ>
<だから病院には、あの子いるんだって>
<もう一人は誰?>
<待て待て待て、『あなた』ってどういう意味だ?>
<そうなのか?>
<そうなんだな?>
「この、おれ、上条、当麻だ!」
一瞬の静寂。
<やっぱりね……>
<なんか、安心した>
<…………>
MNWに、静かなざわめきが池の波紋のようにさーっと広がって行く。
当麻は6人から責められることを覚悟していた。
だが。
6人の妹達<シスターズ>は、憑き物が落ちたように静かに座ったままである。皆、下を向いている。
やがて、琴子(元検体番号19090号)が小さくつぶやいた。
「良かったですね、10032号」
それをきっかけに、
「わたしも、自分の子供に、お母さんと呼ばれてみたい……」 検体番号15214号が、
「10032号、何故もっと早く言ってくれなかったのですか」 琴江(元検体番号13577号)が、
「ちょっと、羨ましいですわね」 美雪(元検体番号12500号)が、
「あ〜あ、あたしも彼氏欲しいな〜、こんな仕事止めて」 スネークこと検体番号17600号が
それぞれが、自らの思いを込めてつぶやいていた。
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