218:LX[saga sage]
2011/09/11(日) 21:34:59.66 ID:F6AYXBz00
「君らに黙っていてすまなかった。麻美を始め、君らにも迷惑を掛けた。この通り謝る。ごめんなさい」
そう言って、当麻は頭を下げた。
しかし。
「何故、私たちに謝るのですか? 上条当麻さん、顔を上げて下さい」
琴子が明るい声で話を始めた。
「あなたが謝る必要はありません。
いえ、むしろ、私たち『妹達<シスターズ>』はあなたに改めて御礼を言わなければなりません」
(えっ?)という顔で当麻は彼女の顔を見る。
彼女は微笑んでいた。何故? どうして?
「あなたは、私たち妹達<シスターズ>が、まぎれもない人間であることを証明してくれた人になりました。
……わたしたちは、お姉様<オリジナル>のクローンとして、実験の道具としてこの世に生を受けました。
形は人間でしたけれど、生まれたわたしたちには意思はありませんでした。
そんなわたしたちに、15年前、あなたは10032号を通じて、全てのミサカ達に生きることを、生きる意味を教えてくれました。
そして今度、あなたはミサカ達に次の世代を産み育てることを教えてくれたのです。
私たち自身に新たな生命を宿すことが出来ることを、そう、私たち妹達<シスターズ>は自分の子供を生み、そして育てることが
出来ることを証明してくれたのです。
わたしたちは、伴侶を見つけ、新たな世代を、次の世代を産み育てることを目標にすることでしょう。
あなたはまた、わたしたち妹達<シスターズ>に新しい目標を与えてくれたのです」
琴子が一旦言葉を切る。
5人の妹達<シスターズ>が立ち上がり、
「「「「「本当にありがとうございました」」」」」
きちんと唱和して深々と当麻に頭を下げたのであった。
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