過去ログ - 新・学園都市第二世代物語
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245:LX[saga sage]
2011/09/18(日) 19:33:51.77 ID:5OrnkYlh0



麻美と一麻、母子はシャワーブースにいた。

「いつもはお風呂はどうしているのですか?」

「もう一人で入ってるよ。昔は美鈴おばちゃんと一緒だったけれどさ」

「まぁ……じゃぁ今日はどうして?」

「言ったじゃん、……一緒に入りたかったからって」

「あら、そうなのですか? ふふ……じゃあ、まずわたしがあなたの頭を洗ってあげましょう」



麻美はヘアシャンプーを手に取り、一麻の頭をゴシゴシと洗ってゆく。

「お父さん程ではないですが、あなたの髪も硬いのですね」

一通り洗い終わると彼女はシャワーのレバーをひねる。

天井からザッとシャワーが降り注ぐ。

さしもの一麻の髪もぺたっと張り付き、顔の輪郭があらわになる。

しげしげと息子の顔を眺めていた麻美は柔らかな微笑を浮かべて語りかける。

「でも、こうしてみると、一麻はわたしに似たのですね」

ちょっと赤い顔になった一麻が母親に答える。

「うん、言われるよ……。美鈴おばちゃんも美琴おばちゃんもみんな『あたしにそっくり』って言うんだ。

スゴイ嫌なんだけれどさ」

「どうしてですか?」  不思議そうに彼女は息子に尋ねる。

「だって……男だから。オンナの子みたいって言われてるみたいだから……恥ずかしいよ、ぼくは」

(まぁ、そんな意味に取ってるの? この子は) 

麻美はそんなことを考えながらヘアコンディショナーを手に取り、手で伸ばした後、一麻の髪に揉み込んで行く。

「一麻? あなたはこの母に似ていることが恥ずかしいのですか?」  今度は言葉を変えて聞いてみる。

「そうじゃないよ。そんな事言ってないよ……うー、うまく言えないけれど」

「……」  (あぁ、やっぱり違うんだ。あぁ良かった) 彼女は少し安心する。

「怒った?」  一麻がおそるおそる、母に聞いている。

「……」  (この子自身に言わせた方が良い)そう思った麻美は黙っている。 

「……あのね、お母さんに似ているっていわれるのはキライじゃないけれど、女の子みたいに言われるのがいやだ、ってことなんだよ」



彼女は再びシャワーを出して、息子の髪のコンディショナーを軽く洗い落としてゆく。



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