305:LX[saga sage]
2011/10/09(日) 19:33:00.96 ID:X599FlHd0
「あー、それはいいかもしれないな。いけね、気が付かなかったよ……。
麻美はずっとご無沙汰してしまってるんだろ? ちょうどいいさ。一麻と一緒にお邪魔すれば?」
良いアイディアだな、と言う感じで当麻が誘う。
「あなた、そんな無責任な発言は止めるべきです。お義父さまやお義母さまにはなんの連絡もしていないのですよ? そんな失礼なことを」
麻美が反対する。
「お母さんは……ぼくと一緒に美鈴おばちゃんのところに帰るのは、嫌なの?」
悲しそうな顔で一麻が母・麻美の顔を見上げる。
せっかく良いアイディアを出したのに、と。もう1日一緒にいられるのに……と。
「そんな事を言っているのではありません。わたしはマナーの問題を指摘しているのです。6年以上ずっと失礼していた人間が
いきなり連絡もなしに……」
「うーん、この時間だと美鈴さんは電車の中だよな……メールで聞いてみるわ」
「ちょっと、あなた!」
麻美が前に乗り出し、声が高くなる。
「麻美、タクシーの中だ。静かにしろ。運転手さん、すいませんね」 助手席の当麻が運転手に会釈する。
「ははは、手だけは出さないで下さいねー、それから背中蹴ったりしないで下さいよ? 危ないですからね。
まぁ、夫婦ゲンカは犬もくわない、って言いますから、私は何も?」
「お母さん、ケンカはダメだよケンカは」
運転手さんに続けて、一麻も母・麻美を注意する。
麻美はむすーとふくれて、少し荒っぽく身体ををリヤシートに沈めた……。
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