469:LX[saga sage]
2012/01/15(日) 20:39:30.12 ID:ki9z4SET0
既にクルマは高速を走っている。中心から出る方向なので道は比較的空いていた。
「漣さん、今日は本当にすみませんでした。お忙しいのに。でも本当に助かりました」
美琴が深々と頭を下げる。
「いやぁ、とんでもない。なんてことないですって。そんなこと止めて下さいよ? なんせ、他ならぬ黒ちゃんの頼みですからねー。
それに、噂の御坂さんに直接お話できるチャンスなんてめったにないですから」
漣があはは、と笑いながら答える。
「ちょ、ちょっと健介さん!」
黒子が赤くなって抗議する。
「そうそう、黒子、あんた、『くろちゃん♪』て呼ばれてるんだって〜?」
ほれほれ神妙に白状せい、と言う顔で美琴が黒子を弄りにかかる。
「お、お姉様まで、そんなことを!」
「いや〜、実はさっきクルマの中で漣さんから聞いちゃったんだけどさ〜?
私も今度からあんたのこと、『♪くろちゃん♪』って呼んであげようか? むふふふ」
「全くもう、冷やかさないで下さいまし! ちょっと、健介さん!? お姉様に何をベラベラしゃべってるんですの!?」
「止めなさいよ、黒子、いや、く・ろ・ちゃん? 私が強引に聞いたんだし、漣さん、クルマ運転してるしさ。
……そういえば、さっきは聞き忘れたんだけど、漣さんは、黒子、いや『くろちゃん』からはなんて呼ばれてるんですか?」
美琴は矛先を運転する漣に向ける。
「ちょっとお姉さ『ああ、僕は”健ちゃん ”ですよ。つまんないでしょ?』……あ、ぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!」
「ケンちゃん!!?? えええええええええっ????? あ、あんたが? うっそ……信じられない……
……ちょっと、ちょっとごめんね。黒子がそう言うこと言うのって、私、ちょっと想像できなくて、あはははは」
「そんな……お姉様、ひどいですわ……わたくし、そんな……ううっ」
美琴は吹き出したが、黒子は耳まで真っ赤にして顔を座席とドアの部分に隠すようにうずくまってしまった。
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